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接触を避けてカード払い。三井住友カードの「stera terminal」。サイゼも導入

三井住友カードは、新オールインワン決済ターミナル「stera terminal」を全国の事業者(加盟店)に導入開始した。stera terminal(JT-C60)は、クレジットカード、電子マネー、QRコードの決済に対応し、利用者側と店舗側のそれぞれにスクリーンが用意される。カードのかざして決済(NFC非接触決済)にも対応するなど、客と店員の接触を削減やレジ周りの省スペース化も狙う。

クレジットカードは磁気、IC、かざして決済(NFC)に対応。QR/バーコードは、本体内蔵のカメラで読み取り、端末側で支払手段(PayPay、メルペイなど)を選ぶ必要なく利用できる。

クレジットカードはNFCで非接触決済

利用者側には4型のディスプレイを、店舗側には7型のディスプレイを装備し、ボタンレスで利用できる。利用者側のディスプレイではPINコードの入力やサインに対応し、店員がカードに触れずにカード決済が行なえる。

クレジットカードの場合、店員にカードを渡さず支払いでき、利用客は「クレジットカードで」と伝えるだけで、NFC、IC、磁気の好きな決済手段で支払いできる。

お店側の操作も「クレジットカード」を選ぶだけ。さらに、利用者側の操作で支払いが完結するため、カードを客と店員の間でやり取りせずに、接触を避けられるのが特徴。

なお、NFCでの決済(Visaタッチ決済等)は多くの場合上限が1万円で、それ以上はICでの暗証番号やサインが求められる。カードによって上限が異なることがあるため、NFCで決済できない場合は、「カードを挿入してください」等のメッセージを画面に表示する。

店舗側もクレジットカードを選ぶだけで、NFCやIC、磁気などの支払い方法を選ぶ必要はない

カード払いで、暗証番号を入れる場合はディスプレイに数字を表示する。数字はランダムに表示するほか、視野角を制御して左右から見にくくすることで、セキュリティを確保。サインの場合も液晶画面にサインを記入する形となる。

クレジットカードのICチップを利用
暗証番号はランダムに表示

電子マネーは、交通系ICカードやiD、QUICPay、楽天Edy、WAON、nanacoなどに対応。交通系ICカードは「PiTaPa」もサポート可能。

QRコードは、利用者側のスクリーン上のカメラで読み取るだけで完了。店舗側はQRコード決済を選ぶだけで、PayPay、d払いなどの決済手段を選ぶ必要はない(店舗側が対応している決済手段のみ)。

これは、三井住友カードが複数の国内コード決済の申し込みやオペレーション、資金精算等を取りまとめてワンストップで提供する「stera code」により実現。決済時に店員が決済サービスの種類を選ばなくてよいほか、三井住友カードが取りまとめて事業者に入金するため、資金精算の手間を省ける点も特徴という。

QRコード

端末はパナソニック製で、三井住友カードとの共同開発。また、stera terminalは、三井住友カードとVisa、GMO-PGによるプラットフォーム「stera」と連動し、決済端末からセンター、ネットワーク、決済事業者までを一体運営する。事業者は、1台の決済端末と1カ所の申込みで導入可能となる。

レシートプリンターも内蔵しているため、この一台でほぼ全てのレジ周りのソリューションを完結できる。本体価格は87,000円。

OSには、Androidを採用し、アプリを追加して機能拡張できる。アプリは「stera market」からダウンロード可能で、店舗向けPOSレジ機能を提供する「POS+(ポスタス)」では、stera terminalのタッチスクリーンをPOSレジとして利用し、POSレジ+決済機能をオールインワン化できる。

Androidでアプリを追加可能。「POS+」でPOS連携

また、免税手続き電子化アプリ「スマートデタックス」は、stera terminalのカメラを活用して、パスポートを読み取り。免税電子データを作成し、国税庁指定サーバーにデータを送信。紙で行なってきた免税の手続きを電子化できる。

7月6日以降、全国の店舗に設置。導入予定企業は、8月にキャッシュレス対応を予告しているサイゼリヤと、飲食のコロワイド、ワタミ(ミライザカ・鳥メロなど)、ドラッグストアのトモズ、サンキュードラック、美容室のヘアメイクアース、カラオケの鉄人、ルスツリゾート、よみうりランド、東京サマーランド、旭山動物園など。

三井住友カードは、stera terminalと決済プラットフォーム決済「stera」により、決済サービスの「ワンストップ化」を推進。安全で利便性の高い決済手段として、導入を呼びかけていく。