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「スマホで身分証明」実現へ。経産省が国際規格提案

経済産業省は、スマートフォンなど、モバイル機器を利用した身分証明書管理の国際規格案審議に向け、より高い信頼性を実現するための提案を行なった。これにより、スマートフォンにパスポートや免許証を搭載するなど、高精度な本人確認の実現を目指す。

日本が提案したのは、「セキュアエリアの信頼度に関する認証利用の仕組み」に関するもの。セキュアエリアとは、OSの異常動作時でも安全にデータの保存と処理を行なえるように隔離された領域。

セキュアエリア内では、身分証明書発行者や認証者がユーザーの認証情報をやりとりして、証明書を発行するが、スマートフォン等のモバイル機器は元々ユーザーの手元にあるため、身分証明書の発行者(個人情報、識別情報を追加・上書きする者)がモバイル機器のセキュアエリアの信頼度を自ら確認することは難しい。

そのため、セキュアエリアが機能条件を満たしていることを確認するための仕組みを国際標準化することで、信頼性を高める。

これにより、各種身分証明機能を利用する場合、十分なセキュリティが確保できるという。また、これらのモバイル機器に搭載された身分証明書は、必要な属性や権利・資格等の情報などを常に最新の状態で保持できるため、より精度の高い本人確認や資格確認を行なえる。

身分証明書を利用するためのセキュリティについても随時更新できるため、身分証明書を安心して利用でき、スマートフォン等を通じたオンライン上での本人確認や資格確認の利用拡大が期待できる。

提案は、ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)の合同専門委員会(JTC 1)に設立された専門委員会(SC 17:カード及び個人識別用セキュリティデバイス)で審議される。7月から本格的な議論が始まり、2022年の国際標準化を目指す。