ニュース

大阪の激安スーパー「スーパー玉出」にメルペイ。現金主義が根付く大阪で攻勢

メルペイは、大阪を中心にチェーン展開し、激安スーパーとして有名なスーパーマーケット「スーパー玉出」と、お好み焼き店「鶴橋風月」において、12月13日よりメルペイのコード決済サービスを開始した。。

メルペイのコード決済サービスが利用可能となったのは、スーパー玉出の全45店舗と、鶴橋風月の梅田お初天神店、なんば千日前店、本店、風月CLASSIC京都の4店舗。同時に、12月13日から12月22日までの期間、スーパー玉出ではメルペイのコード決済の利用で決済金額の10%をポイント還元(期間中のポイント還元上限は1,000ポイント)、鶴橋風月ではメルペイのコード決済の利用で鶴橋風月オリジナルミニソースをプレゼントするキャンペーンを実施する。

対応開始となった12月13日には、大阪市内で記者会見を開催。また、スーパー玉出 天神橋店と鶴橋風月 梅田お初天神店に、大阪のご当地アイドル「オバチャーン」のメンバーが駆けつけ、両店舗でのメルペイ利用開始を力強くアピールした。

12月13日よりメルペイのコード決済を導入したスーパー玉出 天神橋店
スーパー玉出では、PayPayが先行導入され、12月13日よりメルペイのコード決済にも対応
メルペイ導入を記念して、大阪のご当地アイドル「オバチャーン」のメンバーが駆けつけ、12月22日までの期間、メルペイの利用で10%ポイント還元されることを店頭で力強くアピール
同じく12月13日よりメルペイのコード決済に対応した、鶴橋風月の梅田お初天神店
鶴橋風月では、12月22日までの期間、メルペイのコード決済を利用すると鶴橋風月オリジナルミニソースがもらえる
鶴橋風月にもオバチャーンが駆けつけ、実際にメルペイのコード決済を体験

現金主義が根付く大阪とメルカリが強い関西

メルペイ マーケティングチームリーダーの大前宏輔氏によると、メルペイの利用者は2019年10月には500万人を突破し、キャンペーン期間終了後も継続利用率が78%に達するなど、日常的に利用されている決済手段に成長しているという。

また、10月1日の消費増税とキャッシュレス・消費者還元事業の開始以降は、キャッシュレス・消費者還元事業の対象となるメルペイ加盟店において、1日あたりの平均のキャッシュレス決済金額とキャッシュレス決済回数がいずれも約1.6倍に伸びるとともに、約6割の加盟店でキャッシュレス決済比率が上昇しているとの調査結果を示し、キャッシュレスの伸びを説明。

メルペイ マーケティングチームリーダーの大前宏輔氏

ただ、大阪を中心とした関西地区では、まだまだ現金主義が根付いており、キャッシュレス・消費者還元事業が実施されている現在でも、事業者のキャッシュレスへの関心度は低い。そういった中、メルカリの売上金は関西圏が特に多く、メルペイ利用の潜在的な需要があると分析。加えて、メルペイの利用者は約6割が女性という特徴を背景に、主婦層と親和性の高いスーパー玉出でのメルペイコード決済対応とキャンペーンを実施することになったという。

さらに、関西に根付いているお好み焼きチェーンの鶴橋風月でもキャンペーンを実施することで、「大阪ならではの場所でのメルペイ利用を拡大し、大阪のキャッシュレス化を推進したい」と述べた。

10月にメルペイの利用者が500万人を突破し、継続利用率も78%にのぼる
10月1日以降、キャッシュレス・消費者還元事業の対象加盟店で平均のキャッシュレス決済金額と回数が約1.6倍に上昇
10月1日以降、約6割の加盟店でキャッシュレス比率が上昇している
全国的にキャッシュレスが盛り上がる中、大阪はまだ現金主義が強く、キャッシュレス導入に消極的な事業者が多い
関西地区は、メルカリの売上金額が多く、メルペイの潜在ニーズが高いと分析
女性の利用率が高いのもメルペイの特徴で、この特徴を背景にスーパー玉出でのキャンペーンを実施
スーパー玉出では12月22日までメルペイのコード決済を利用すると決済金額の10%をポイント還元(期間中上限1,000ポイント)、鶴橋風月ではオリジナルミニソースをプレゼント

続いて、スーパー玉出を運営する株式会社フライフィッシュ取締役の國枝尚隆氏が、スーパー玉出でのメルペイ対応について説明した。

スーパー玉出では2019年10月半ばからPayPayを先行導入しており、11月頭では3%台だったキャッシュレス比率が12月頭には6%に上昇し、今回のメルペイ導入によって、12月末までには10%に達すると予想しているという。

スーパー玉出を運営するフライフィッシュ取締役の國枝尚隆氏

とはいえ、スーパーマーケットにとってキャッシュレス対応は大きな課題があるという。現在の日本のスーパーマーケットは、営業利益率が平均で1%ほど。そのため、キャッシュレス決済の決済手数料が2~3%とした場合でも、売上げの30%がキャッシュレス決済になると、半数以上のスーパーマーケットが赤字に転落してしまうことになる。

そういった中でスーパー玉出が今回メルペイをはじめとしたキャッシュレス決済を導入したのは、キャッシュレス決済を積極的に利用している新しい顧客を取り込みたいと考えてのことだという。

國枝氏によると、スーパー玉出は「見て驚いて笑って買う店舗づくり」を基本方針にしているとのことで、体験型アミューズメントストア、買い物のエンターテインメント化を実現したいという。國枝氏自身、スーパー玉出は「日本でここまでおもしろいスーパーはない」と考えていると述べたが、実際に大阪に来た人がスーパー玉出で買い物をしたり、見に来たことをSNSに発信する人が多く存在しており、その存在感はスーパーマーケットの域を超えるものとなっている。そういった背景のもと、ただ単に物を買う店にするのではなく、店に来て1円でこんなものが売っていると驚いてもらったり、派手な看板を見て楽しんでもらうことで、それが購入に繋がればいいという考え方で様々な取り組みを行っているとし、今回のメルペイ導入についてもその一環であると説明した。

鶴橋風月では、キャッシュレス決済はもともとクレジットカード決済のみに対応していた。ただ、10月1日の消費増税以降、クレジットカード決済の比率が高まるとともに、利用客からスマートフォン決済への対応についての問い合わせが大きく増えたことで、お客様の声に応える形で、メルペイの導入を決めたと説明。また、関西地区でメルカリ利用者や売上金が多く、利用の期待度の高さも、メルペイを導入した理由のひとつだという。

鶴橋風月でのメルペイ導入は、まずは4店舗から開始となるが、これを皮切りとして2020年の年明け以降は直営店舗に順次導入するとともに、フランチャイズ店舗にも拡大していきたいとした。

メルペイ導入について説明する、鶴橋風月 梅田お初天神店店長の田中広宣氏
鶴橋風月では、オバチャーンにお好み焼きが振る舞われた