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世界を57兆個に分割して3単語で住所表示、「what3words」にソニーのファンドが出資

世界を57兆個の正方形に分割し、3つの単語でその住所を表す位置情報テクノロジーを展開する英国のスタートアップ企業what3wordsは、ソニーのコーポレートベンチャーキャピタルSony Innovation Fundから資金調達を行なったと発表した。今回の調達金額は非公開だが、2013年の創業時からの累計資金調達総額は4,350万スターリング・ポンド(約62億円)。

what3wordsは、世界全体を57兆個の3m四方の正方形に分割し、その正方形一つ一つの住所を3つの単語のみで言い表すという独自の位置情報システム。現在、日本語を含む26言語で利用されている。例えば、「///いちがつ・わたくし・ねむい」という3つの単語が表す住所は、Sony Innovation Fund東京オフィスビルのエントランス前の3m四方という、細かい位置をピンポイントで指し示せる。

音声入力を前提として設計され、音声アシスタントから簡単に位置を指定できるため、従来のような長い住所を入れる必要はない。今回調達した資金は、音声入力と相性の良い、自動車空間分野におけるテクノロジーのさらなる開発を主な目的としている。

ソニー 執行役員の御供俊元氏は「what3wordsは、機械に正確な位置情報を音声で入力するという大きな課題を解決してくれた。音声起動システムの劇的な普及によって、what3wordsのように、あらゆるデジタルプラットフォームやチャネルで活用でき、読み書きにも対応できるシンプルな音声ジオコーダーが、まさに今世の中で必要とされている」とコメントしている。

なお、2018年初頭には、ダイムラーがwhat3wordsの株を10%取得。最新のAクラスおよびBクラスの自動車と、メルセデス・ベンツ・スプリンターにwhat3wordsのテクノロジーを組み込み始めており、今後も幅を広げた製品展開を視野に入れている。また、ナビゲーション分野のTomTomなども導入。モンゴル、ジブチ、トンガといった国の郵便サービスや、フィンランドの国土調査、南アフリカの農村開発・土地改革省のプログラムなど世界中の国・自治体の公的サービスにも採用されているという。

日本においては、2018年6月にアルパインが出資を発表。7月には観光SNS「Deaps」が国内サービスとして初めて導入を開始している。