ニュース

Googleなど大手プラットフォーマーに対するルール整備へ

ITやデータを活用し、第三者に「場」を提供する「デジタル・プラットフォーム」がグローバルで規模を拡大している。AppleやGoogle、Amazon、Facebookなどの大手デジタルプラットフォーマーの登場による競争政策や情報政策などの変化への対応やルール整備について、経済産業省、公正取引委員会、総務省らがまとめた。

近年、デジタルプラットフォーマー、OTT(Over The Top)と呼ばれるグローバルの大手プラットフォームが台頭。こうした中で、検索や買い物履歴のような利用者データの扱いや保護が不透明、あるいは寡占による不公平な取引への懸念も指摘されている。

こうした状況への対応を検討する「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」が取りまとめた中間論点整理(案)を5日に公表。活発な競争環境の整備のため、特定のプラットフォームからいつでもユーザーが移籍できる「データポータビリティ」やAPI開放、中小企業やベンチャーを含めた自由で透明な競争環境の整備、参入要件の緩和など、デジタルプラットフォーマーの社会的責任、利用者への公正性の確保などの基本原則を、2018年中にまとめる。

デジタルプラットフォームにおいては、オンラインショッピングやアプリ、検索、SNSなどの様々なサービスにおいて、事業者の市場アクセス向上や消費者の便益向上を実現している一方で、独占化や寡占化が進みやすいという特性がある。

取りまとめでは、プラットフォーマーに対して、世界的な規制動向を参考に、取引環境を整備することを提案。また、プラットフォーム・ビジネスが想定されていなかった業種における業法の見直しの要否の個別検討なども課題としている。一方で、「プラットフォーマーをコントロール・ポイントとすることで、効果的な消費者保護や安全確保を図れるのではないか」との指摘もなされている。

公平性確保のための透明性については、「プラットフォーマーと個人等の間の取引実態が不透明で、不公正な取引慣行となるおそれ」を指摘。包括的な調査の実施や、継続性のある専門組織創設などを提案している。また、重要な取引条件の開示・明示の義務づけなど、取引慣行等における規律の導入も検討課題としている。

公正かつ自由な競争については、プラットフォーマーが持つデータやアルゴリズムによる、市場操作性や、運用の不透明性を課題とし、それらが競争へ及ぼす影響の評価が必要と指摘。また、消費者との関係における優先的地位の乱用規制の必要性や、課徴金などの制度化なども検討課題としている。

APIやデータの移転開放ルールについても重視。EUのGDPRなどを参考とし、競争政策や競争基盤の整備という視点からも、ルールの要否や内容を検討していくという。また、国際的な連携や海外事業者への適用法令の実効的な執行の仕組みなども検討の必要があるとしている。

中間論点整理(案)については、事業者ヒアリングやパブリック・コメントを通じて意見募集。2018年中の基本原則策定と早期の具体的措置の実施を進める。