コーナーストラップホールとメタリックフレームで自分だけの個性を主張する 防水対応コンパクトスマートフォン AQUOS PHONE st SH-07D
今や誰もが関心を寄せるスマートフォン。すでに毎日のように愛用している人もいれば、そろそろケータイから移行しようと考えている人も多いはずだ。そんなスマートフォンをもっと手軽に、もっと楽しく、もっと快適に使うことができる「AQUOS PHONE st SH-07D」がNTTドコモから発売された。コーナーストラップホールやメタリックフレームなど、今までのスマートフォンにはない個性的なデザインが魅力のコンパクトなモデルだ。発売前に実機を試すことができたので、その楽しさをチェックしてみよう。

 今年も5月半ばから順次、各社の2012年夏モデルの発表会が催され、夏商戦に向け、多彩なモデルがラインアップに加わった。各社のラインアップは当然のことながら、スマートフォンが中心に据えられているが、NTTドコモの発表会において、山田隆持代表取締役社長が「今や国民的関心事になりつつある」と述べていたように、スマートフォンは単なる商品ジャンルではなく、ひとつのムーブメントになりつつある。街中でスマートフォンを使う人を見かけるだけでなく、友だちや同僚、家族などが顔を合わせるタイミングで、スマートフォンの新機種やアプリ、サービスなどが話題になることも増えている。わずか2年ほど前、国内にスマートフォンと呼べる機種が数えるほどしかなかった状況を考えると、これほどまで急速に注目が集まったことに、改めて驚かされる。

 ただ、これまでに登場したスマートフォンの多くは、Androidプラットフォームを採用した製品として仕上げること、快適に使うためにパフォーマンスを向上させることなど、ハードウェアとしての基本要素の充実に注力されてきた印象が強い。もちろん、パソコンの例などを見てもわかるように、ハードウェアのスペックを充実させ、より快適な利用環境を整えることは大切だが、その一方で、ちょっと物足りなさを感じる人もいるのではないだろう。特に、スマートフォンの場合、基本的にはタッチパネルで操作するため、ディスプレイをボディ前面にセットしたスレート状のデザインのモデルが多く、従来のケータイに比べ、どうしても外見が似てしまう傾向にある。他の人が持っているものとは違う、もっとカッコ良く、もっと楽しいスマートフォンが欲しいと考えるユーザーは多い。

docomo with series
AQUOS PHONE st SH-07D

 今回、NTTドコモから発売されたシャープ製スマートフォン「docomo with series AQUOS PHONE st SH-07D」は、そんな個性を求めるユーザーの期待に応えるモデルだ。手のひらにすっぽりと収まるコンパクトなボディは、左下の角のコーナーストラップホールをアクセントに、周囲をメタリックフレームで仕上げた独特のデザインを採用している。パッと見たとき、その機種であることがすぐにわかる個性的かつ存在感のあるモデルだ。シャープ製スマートフォンの「AQUOS PHONE」というペットネームに組み合わせた「st」は、「Street Casual」「Style」などの意味を込められており、いつも自分が持つアイテムやファッションで個性を主張したいユーザーを狙ったスマートフォンとして仕上げられている。

 今夏の各社のラインアップを見てもわかるように、スマートフォンのディスプレイは全般的に大型化する傾向にある。ディスプレイを大きくすることで、表示できる情報量を増やす共に、タッチパネルでの操作感を向上させるというメリットがある。その半面、ディスプレイサイズの大型化に比例して、ボディサイズも全体的に大きくなるため、ややポータビリティが失われるという指摘もある。特に、手のサイズがあまり大きくないユーザーや持ち歩きやすさを重視するユーザーにとっては、選択肢がやや少なくなってきたような印象を受ける。

 今回発売されたSH-07Dは、約3.4インチのフルワイドVGA対応NewモバイルASV液晶を搭載し、最近のスマートフォンにしてはかなりのコンパクトなボディに仕上げている。ボディ幅も折りたたみデザインのケータイとほぼ同等の約54mmに抑えており、女性のように大きくない手でも持ちやすいサイズに仕上げている。ボディの厚みの約11.9mm(最厚部:約12.2mm)も折りたたみデザインのケータイを閉じたときとほとんど変わらないサイズで、背面側の周囲の角に丸みを付けたデザインに仕上げることで、手にフィットするジャストサイズにまとめられている。ちなみに、背面側はラバー風触感塗装でマットに仕上げているため、指紋などの汚れも付きにくくなっている。

液晶サイズは約3.4インチ。最近のスマートフォンにしてはかなりコンパクトで、持ちやすいサイズに仕上げられている

[戻る][ホーム][メニュー]の3つのキーが、液晶下部にセンサーキーとして用意されている

本体背面側はマットに仕上げられている

ボディ周囲には背面と同じボディカラーのメタリックフレームが採用されている

本体左下角にはストラップホールが備えられている

 また、ボディ全体のデザインもこれまでのスマートフォンと違ったセンスのいい個性が感じられる仕上りとなっている。ボディ周囲にメタリックフレームを採用し、本体の左下角に備えられたストラップホールがボディデザインのアクセントとなっている。メタリックフレームは背面と同じボディカラーに仕上げられ、引き締まったBLACK、さわやかなLIME、アクティブなREDというそれぞれのボディカラーを際立たせている。本体前面のほとんどをディスプレイが占めるスマートフォンでは、どうしてもボディカラーの印象が薄くなる傾向にあるが、SH-07Dは前面や側面から見たときもハッキリとボディカラーがわかるデザインとなっており、手に持ったとき、デスクに置いたときなどの存在感は、他のスマートフォンとひと味違う印象だ。また、コーナーストラップホールはデザイン上のアクセントになっているが、ネックストラップを付けて、首から提げて持ち歩くのもいいし、コンパクトなボディを演出するカッコいいストラップを付けるのも楽しいだろう。最近、一部の機種ではストラップホールが備えられていないが、実用面だけでなく、自分なりの個性を主張するという意味から考えても必要なものであり、SH-07Dはそれをうまくデザインに組み込んでいる。

ボディカラーは3色。画像左から「RED」「LIME」「BLACK」

省電力技術に対応した独自のミュージックプレイヤー「Music'n Player」を搭載
©2012 Warner Music Japan Inc.

 オープンなプラットフォームを採用したスマートフォンは、アプリを追加することにより、さまざまな機能を利用することができる。Webページの閲覧やメール、ソーシャルサービスなど、自分の使いたいサービスを自由に選べるのは、ケータイにはなかった楽しみだ。

 ケータイのニーズが高かった使い道がスマートフォンに移行したことで、一段と使いやすくなった機能もある。たとえば、音楽もそのひとつだ。ケータイでも着うたのダウンロードをはじめ、音楽を楽しむことができたが、自由度の高いスマートフォンは一段と音楽が楽しみやすい環境が整っている。ただ、その一方で、音楽再生で電池残量が減ることを懸念したり、「音楽プレーヤーのアプリが扱いにくい」「音質が良くないのでは?」といった声も耳にする。

 そこで、SH-07Dでは音楽再生をより簡単に楽しく利用できる環境を整えている。まず、「LPA(Low Power Audio)」と呼ばれる技術を採用することにより、音楽再生時の電力消費を抑え、約55時間の連続音楽再生を実現している。シャープ製スマートフォンは昨年秋のモデルから独自の「エコ技」を採用することにより、電力消費を抑えることに可能にしているが、今回はエコ技とは別に、省電力技術に対応した独自のミュージックプレーヤー「Music'n Player」を搭載することにより、音楽再生においても長時間の利用を可能にしている。ちなみに、SH-07Dはおくだけ充電に対応しており、付属のワイヤレスチャージャー SH02に本体をセットすれば、すぐに充電することができる。

 Music'n Playerには今聴いている曲をつぶやくことができるソーシャルサービスとの連携をはじめ、再生中にアーティストの情報をインターネットで検索したり、NTTドコモのMUSICストアをはじめ、各種音楽配信サービスが利用できる「PlayReady」にも対応する。

 音質面については、新たに英Wolfson Microelectronics社製専用チップを搭載することにより、従来のスマートフォンとは一線を画した高音質を実現している。Wolfson Microelectronicsはハイエンドオーディオ向けの半導体や技術などで知られるメーカーで、同社製品は国内外の音響機器メーカーの製品で採用されるほか、最近ではポータブル音楽プレーヤーやゲーム機、モバイル機器などにも同社製品が採用されている。従来からシャープ製端末に採用され、高い評価を受けてきた「Dolby Mobile」についても「Dolby Mobile v3」が搭載されており、音楽だけでなく、映画などについても臨場感のあるサウンドを楽しむことができる。

「Music'n Player」はウィジェットも用意されている

さまざまなプリセットが用意されている「Dolby Mobile」。こちらは[音楽]用設定

「Dolby Mobile」の[動画]用設定

本体左側面に備えられた3.5φステレオイヤホン端子。キャップなしでも浸水しない構造となっている

本体右側面には、音楽再生専用の「Playキー」が備えられており、その上下にはボリュームアップ/ダウンキーが配置されている

静止画・動画・音楽管理ソフト「MediaJet」

「エコ技」機能についても昨年秋のモデルから強化されている

 イヤホンとの接続については、本体左側面に備えられた3.5φのステレオイヤホン端子も利用できるが、Bluetoothにも対応しているため、ワイヤレスで音楽を楽しむことができる。Bluetoothでの音楽再生もaptXに対応しているため、クリアな音質で楽しむことができる。ちなみに、SH-07DはIPX5/IPX7等級の防水、IP5X等級の防じんに対応してるが、3.5φのステレオイヤホン端子にはキャップがなく、浸水しない構造となっている。

 そして、音楽再生をより使いやすくするため、本体側面に音楽再生専用の「Playキー」が備えられている。Playキーを押し、Music'n Playerなどの音楽再生アプリの起動をはじめ、再生、停止などを簡単に操作できる。

 パソコンとの連携については、静止画・動画・音楽管理ソフト「MediaJet」が提供されており、別売のmicroUSB接続ケーブル 01でWindowsパソコンに接続し、SH-07Dに表示されたダイアログで[インストール]をタップすれば、自動的にドライバとアプリケーションがインストールされる。すでにパソコンに保存されている音楽や写真、ビデオなどが検索され、iTunesなどで音楽CDから取り込んだ楽曲もすぐに取り込むことができる。あとは転送したアルバムや楽曲、プレイリストなどを選べば、SH-07Dにすぐに転送することができる。また、予めWi-Fi接続などの設定をしておけば、パソコンにケーブルを接続しなくても、ワイヤレスチャージャーに置くだけで、ワイヤレスでパソコンと音楽データを同期させることもできる。

 昨年秋のモデルから搭載され、各方面で高い評価を得ているシャープ独自の「エコ技」機能については、今回のSH-07Dで強化されており、一段とかしこく電池の消費を抑えることができる。普段は「標準モード」で利用しておきながら、省エネ設定に切り替えたいときは「技ありモード」、極力、電池の消費を抑えたいときは「お助けモード」に切り替えて利用するが、標準モードで使用中にバックグラウンドでのアプリの動作が多いときは技ありモードへの切り替えを促したり、動作回数が多く、電池を消費するアプリを一覧で確認することもできる。

 スマートフォンを選ぶうえで、CPUやメモリ、ディスプレイサイズといったハードウェアのスペックは気になるところだが、実際の利用シーンを考慮すると、この他にも気になるポイントは多い。

 たとえば、スマートフォンは一部の機種を除き、基本的には画面に指先で触れながら操作するタッチパネルを採用している。ただ、このタッチパネルのレスポンスは必ずしもどの製品でも同じというわけではなく、各メーカーのチューニングや技術が活かされるため、製品ごとに操作感が大きく違う。SH-07Dでは独自の「ダイレクトトラッキング技術」を採用することにより、タッチ操作のレスポンスと画面のなめらかのスクロールを高い次元で両立させている。画面上で指先をドラッグして動かせば、指先の移動分だけ、画面も同じように動くため、指先に画面が吸い付いているような操作感が得られる。

 また、スマートフォンのユーザーインターフェイスを大きく左右するホームアプリは、NTTドコモのスマートフォンで標準的に採用されている「docomo Palette UI」が設定されているが、これとは別に、シャープが世界的なデザイングループであるFrog Design Inc.と共同で新たに開発した、“Feel UX”の「3ラインホーム」が用意されており、ホームアプリを切り替えることで、独自の機能が利用できる。3ラインホームは「アプリケーションシート」「ウィジェットシート」「ショートカットシート」の3つから構成されており、画面を左右にフリックすることで、切り替えながら利用できる。インストールされているアプリが並ぶアプリケーションシートは3列×4行表示と4列×5行表示を切り替えられるため、筆者のように指先の太いユーザーは3列×4行表示で使い、指の細い女性ユーザーなどは画面を有効に活用できる4列×5行表示で使うことができる。

 ブラウザを利用しているときの「クイックツールボックス」も便利な機能だ。ブラウザでは画面の解像度を活かすため、Webページの読み込みが完了すると、アドレスバーなどの表示が隠れるが、SH-07Dでは画面端からフリックすると、よく使うメニューが表示され、複数のWebページを表示しているときのタブの切り替えや追加、ブックマークの表示、Webページの再読込などの操作が片手で簡単にできる。

docomo Palette UI

シャープオリジナルの「3ラインホーム」

ブラウザ上で画面端からフリックすると表示される「クイックツールボックス」

ソフトウェアキーボード上を左右にスライドすることで、12キーとQWERTYキーを切り替えられる

 日本語入力では新たに「文辞技」と呼ばれる機能が追加されている。スマートフォンで文字を入力するときは、画面に表示されたソフトウェアキーボードを利用するが、入力する文字列によって、12キーとQWERTYキーと切り替えて使いたくなることが多い。たとえば、日本語入力は12キーのフリック入力に慣れたが、URLやメールアドレスなどのアルファベットはQWERTYキーがラクという考えている人も多いだろう。通常、このキーボードの切り替えは設定画面を表示し、キーボードの切り替え操作をする必要があるが、SH-07Dの文辞技ではソフトウェアキーボード上で、画面の端から端までを左右にスライドすることにより、12キーとQWERTYキーを切り替えられるようにしている。ソフトウェアキーボードのキーサイズは三段階に切り替えることができ、予測変換の変換候補も1行表示と2行表示を切り替えることができる。すでにスマートフォンに慣れているユーザーにとっても便利な機能と言えるだろう。

 本体背面に備えられたカメラは、800万画素CMOSイメージセンサーを採用し、シーン別撮影や個人検出&ペット検出、ハイビジョン動画撮影など、従来モデルから高い評価を受けてきた機能も継承されている。コンパクトなボディを活かし、いつでもどこでも気軽に楽しく撮影することが可能だ。液晶テレビ「AQUOS」やレコーダーの「AQUOSブルーレイ」とWi-Fiで接続し、手軽に連携できるスマートファミリングにも対応しており、カメラで撮影した動画をAQUOSで楽しんだり、AQUOSブルーレイで録画した番組をDLNA&DTCP-IPにより、離れた部屋で楽しむことも可能だ。

 この他にも国語/英和/和英&ネット辞書が使える辞書、消費カロリーなども計算できる歩数計、QRコードや名刺の読み取りができる読取カメラなど、実用的な機能が簡単に使えるツールアプリ「SHツール」もあらかじめプリセットされており、買ったその日から存分に活用できる環境を整えている。

 折りたたみやストレート、スライドなど、いろいろなデザインがラインアップされていたケータイ。スマートフォンにもそんな個性を期待する声は多いが、これまでに登場したスマートフォンの多くはデザイン的にも機能的にもなかなかユーザーのニーズに十分に応えられなかった印象もある。特に、ボディサイズについては、ディスプレイの大画面化の流れから、どうしても大きくなる傾向にあった。そんな中に登場したSH-07Dはコンパクトなボディながら、メタリックフレームとコーナーストラップホールにより、今までのスマートフォンとは違った独特の存在感と個性を実現している。音楽を便利に楽しむためのPlayキーや音楽アプリのMusic'n Playerに加え、高音質な専用ICの採用や約55時間の連続音楽再生を実現するなど、機能面でも他機種にはない個性を発揮している。スマートフォンに何を求めるのかは人それぞれだが、SH-07Dはコンパクトなボディと音楽機能を重視したいユーザーに、ぜひとも体験して欲しいモデルと言えるだろう。

 

法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるWindows 7」をはじめ、「できるポケット docomo AQUOS PHONE SH-01D スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2012年1月19日発売)、「できるポケット au AQUOS PHONE IS13SH スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2011年12月9日発売)などのスマートフォン関連も数多く執筆。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。

 

■関連情報
□docomo with series AQUOS PHONE st SH-07D 製品情報(NTTドコモ)
 http://www.nttdocomo.co.jp/product/with/sh07d/
□docomo with series AQUOS PHONE st SH-07D 製品情報(シャープ)
 http://www.sharp.co.jp/products/sh07d/
□シャープ 携帯電話 NTTドコモラインアップ
 http://k-tai.sharp.co.jp/lineup/docomo/

■関連記事
□長時間音楽再生、個性派デザインの「AQUOS PHONE st SH-07D」
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20120516_532747.html
□ドコモ、「AQUOS PHONE st SH-07D」を7日発売
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20120601_537001.html

 

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