スマートフォンに乗り換えたけれど

 街中を見ていると、わずか1年ほどの間に、スマートフォンを使う人が着実に増えてきたことを実感する。特に、この半年間はさらに加速度的に増えてきた印象だ。しかし、実際にスマートフォンに乗り換えた人に話を聞いてみると、いろいろな面でケータイとのギャップに戸惑ったという声が聞こえてくる。アプリをインストールしてのカスタマイズやインターネットで提供されるサービスとの連携など、スマートフォンならではの魅力がある半面、ケータイとは明らかに使い勝手が違い、思うようにスマートフォンにフィットできずにいるわけだ。

 こうした声の中で、もっとも多く聞かれるのが電池の持ちであり、タッチパネルによる文字入力だ。スマートフォンは一般的にケータイと違い、さまざまなアプリがバックグラウンドで動作し、自動的に通信をするため、ケータイに比べると、どうしても内蔵バッテリーでの利用時間が短くなる傾向にある。たとえば、ケータイで使っていたときは、毎日、帰宅後に充電すれば、十分だったのに、スマートフォンでは午後には電池残量が少なくなってしまい、その日の夜まで持つかどうか、冷や冷やしながら使うというケースも少なくない。

 また、タッチパネルについても、見た目と実用では、若干、印象に差があることが多い。スマートフォンを使っている人を見ると、片手に端末を持ち、指先で軽やかに画面に触れながら、さらさらと使っている。確かに、Webページの閲覧をはじめ、TwitterやFacebookのタイムラインを見るときは、このスタイルがケータイよりも格段に快適だが、いざ文字を入力しようとなると、なかなかスムーズに使えないことが多い。ハードウェアのボタンに比べ、画面に表示されたソフトウェアキーボードは「押す」という感覚がないうえ、隣のキーとの位置関係をつかみにくいため、使いはじめたときはなかなか思うように文字が打てないのだ。おそらく、読者のみなさんの周りにもスマートフォンに乗り換えた途端、メールの返信が短くなってしまった人がいるのではないだろうか。もちろん、慣れてくれば、ソフトウェアキーボードでもサクサクと文字が入力できるのだが、この「慣れ」は人によって、かなり差があるのも事実であり、こうした情報を耳にしたケータイユーザーは、なかなかスマートフォンへの一歩を踏み出しにくく感じているようだ。

AQUOS PHONE IS14SH

 こうしたユーザーの気持ちに応えてくれるのが、auから発売されたシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE IS14SH」だ。その外見からもわかるように、2011年夏モデルとして発売され、女性ユーザーを中心に高い人気を得た「AQUOS PHONE IS11SH」の後継に位置付けられるモデルだ。Android™ 2.3を搭載したスマートフォンでありながら、ケータイでおなじみのスライド式ボディに、ケータイで慣れ親しんだテンキーを備えることにより、スマートフォンらしいタッチパネルの操作感とケータイらしいテンキーの使いやすさをうまく融合させている。ブラウザでWebページを閲覧したり、ソーシャルサービスのタイムラインを追うときはタッチパネルでサクサクと使いながら、文字を入力するときや細かい操作が必要なときはマルチガイドキー(方向キー)を中心としたテンキーを使うことができるわけだ。

 そして、電池の持ちについては、この冬に発売されたシャープ製スマートフォンに共通で搭載されている独自の省電力技術「エコ技」機能により、ケータイと変わらないコンパクトなボディでありながら、十分に実用になるレベルの連続利用時間を確保している。

 これならば、ケータイから移行する人も戸惑うことが少なく、スムーズにスマートフォンへの第一歩を踏み出せるはずだ。

使い慣れたテンキーでコミュニケーション

IS14SHのテンキー

 今までのケータイと同様のスライド式ボディのIS14SHだが、もっとも注目されるのは、やはり、テンキーだろう。

 まず、キーのレイアウトについては、写真を見てもわかるように、[1]~[9]、[*]、[#]がケータイと同じように並び、その上段には左から順に[開始]キー、[DEL]キー、[終話]キーが並ぶ。ケータイからスマートフォンに乗り換えたばかりのとき、ケータイにあった[終話]キーがなく、どうやって通話を切ったり、機能を終了させるのかがわからず、戸惑ったという声をよく耳にするが、IS14SHでは[終話]キーを押せば、通話を終えることができ、待受画面に相当するホーム画面に戻ることができる。ちなみに、多くのケータイでは[開始]キーと[終話]キーの間に、[クリア]キーが存在するが、Androidスマートフォンの場合、文字を削除するキーとひとつ前の画面に戻るためのキーが別々に定義されているため、IS14SHではこの位置には[DEL]キーを割り当て、[戻る]キーの機能はマルチガイドキー(方向キー)右下の位置にレイアウトされている。

マルチガイドキーおよび、メールキー、ブラウザキーは、起動する機能をカスタマイズできる

 マルチガイドキーとその周囲の4つのキーは、ケータイに近い使い勝手になるように、レイアウトされている。左上にメール、右上にブラウザが割り当てられ、左下はAndroidプラットフォームのメニューキー、右下は前述の[戻る]キーが割り当てられている。マルチガイドキーについては、左方向の短押しで着信履歴、長押しで発信履歴を表示し、右方向の短押しで電話帳画面、長押しでは赤外線通信が起動できる。下方向はステータスバーにタッチしたときと同じように、通知パネルが表示され、下方向の長押しをすれば、新着情報が表示される。ただし、これらはいずれもカスタマイズが可能で、メールキーとブラウザキーの長押しにも機能を割り当てることができる。たとえば、Facebookを頻繁に使う人は、Facebookのアプリをワンタッチで起動できるようにしたり、ケータイと同じように、カメラ機能をワンタッチで起動できるように設定することも可能だ。設定はホーム画面でメニューキーを押し、表示されたメニューで[キー設定]を選べば、視覚的にわかりやすい設定画面が表示される。

 キーそのものについては、キー面に緩やかな傾斜を持たせることにより、指がかりをよくしたクリートラインキーを採用している。このあたりはケータイで培われたノウハウを持っているシャープならではの細かい工夫と言えるだろう。

テンキー部分を閉じた状態

テンキー部分をスライドさせた状態

キーバックライトも搭載する

安心して使える「エコ技」機能搭載

「エコ技」機能設定画面

 ケータイからスマートフォンに移行するうえで、気になるのが電池の持ちだ。すでにスマートフォンに乗り換えたユーザーからも「電池が持たなくて、苦労した」という声もよく耳にする。スマートフォンはケータイと違い、ユーザーが直接、本体を操作していないときでも自動的にアプリが動作をしたり、通信をするため、どうしても電池の消費が大きくなる傾向にある。

 そこで、シャープではスリープ時に動作するアプリを制御したり、高度なバックライト制御などができる「エコ技」という機能を搭載し、ユーザーの電池に対する不安を軽減している。エコ技機能には「通常モード」「技ありモード」「お助けモード」の3つのモードが用意されており、普段は「通常モード」で使い、省電力をしたいときは「技ありモード」に切り替えて利用する。電池残量が厳しくなり、それでも何とか電池を持たせたいというときは、「お助けモード」に切り替え、少しでも長く待機できるようにも設定できる。技ありモードについてもユーザー自身がカスタマイズすることが可能で、バックライトは少し明るめにしたいといった設定もできる。

 実際の効果についてだが、IS14SHを通常モードで利用したとき、実使用時(※)で約100時間の利用が可能であるのに対し、技ありモードでは約160時間の利用を実現しており、約1.6倍のロングライフを実現している。ちなみに、エコ技機能では電池残量や時間帯に合わせたモード切替も可能なため、普段は通常モードで使っておき、電池残量が50%を切ったら、技ありモードに切り替えたり、昼間は技ありモードで使いながら、帰宅する夜間は充電がしやすいため、通常モードに切り替えるといった設定もできる。エコ技設定のウィジェットも用意されており、はじめてスマートフォンに移行するユーザーにとって、エコ技は非常に心強い存在と言えそうだ。

※ Twitter、mixi、Facebookのアプリケーション、および電話帳におけるTwitter、mixiのログイン、GPS機能ON、歩数計機能ON、ニュースウィジェットを貼り付けた状態。

充実のメール機能でコミュニケーションを楽しく

EメールとCメールを利用するためのメールアプリ。シークレットフォルダを登録することもできる

送信予約機能では、圏外から圏内に移動したときに自動的にメールを再送信したり、指定した日時にメールを送信することができる

 スライド式ボディにテンキーを備えたIS14SHだが、メール関係の機能も充実し、使いやすくなっている。

 auの場合、「○△□@ezweb.ne.jp」のメールアドレスを利用するEメールに加え、家族間無料メールなどにも使うCメールを利用するが、多くのスマートフォンではEメールとCメールを別々のアプリで利用している。これに対し、IS14SHではEメールとCメールをひとつのアプリで利用できるようにしており、Cメール作成中に文字数が増えたときにEメールに切り替えたり、送受信ボックスの閲覧中にE/C切り替えボタンを押すだけで、EメールのみやCメールのみに表示を切り替えるといった使い方ができる。

 送受信したメールについては、フォルダに振り分けて管理することができるが、ケータイのときと同じように、あらかじめ指定したEメールやCメールを保存したフォルダを非表示にしたり、特定の相手から受信したメールの通知をオフに設定することも可能だ。

 また、地下鉄など、電波の届かないところで作成したメールについては、圏内に移動したときに自動的にメールを再送信したり、あらかじめ指定した日時にメールを送ることもできる。この送信予約の機能は「翌朝一番にメールで連絡しておきたい」「誕生日にお祝いメールを送りたい」といったシチュエーションにも活用できる。

 メールの表示については、件名や本文に特定の絵文字が含まれているとき、その絵文字を活かしたアニメーション表示が楽しめる「アニメビュー」に対応するほか、7種類の多彩なフォントがプリインストールされているため、これを切り替えながら、少し雰囲気の違ったメール画面を楽しむこともできる。フォントについては、好みのフォントを追加でダウンロードすることも可能(有料)なので、気分に合わせていろいろと変えてみるのもいいだろう。さらに、auケータイで利用されてきたデコレーションメールにも対応しているが、文字を入力したメールをボタンひとつでデコレーションメールに変換できる「速デコ」も用意されており、今まで以上に楽しくコミュニケーションができる環境を整えている。

3.7インチQHD液晶と804万画素カメラを搭載

3.7インチのQHDディスプレイを搭載

カラーベールビューも搭載し、上下左右からののぞき見を防止できる

 IS14SHはテンキーを搭載し、メールなども快適に使うことができるが、スライド式ボディを閉じれば、他のスマートフォンと同じように、タッチパネルでの操作が可能だ。

 ディスプレイは3.7インチのQHD液晶を採用し、明るく視認性の良い環境を実現しているが、視野角が広いため、逆に周囲から見えてしまうことが気になる人も多い。そこで、AQUOS PHONEには従来のシャープ製端末でも搭載されていたカラーベールビューを搭載しており、上下左右からののぞき見を防止できるようにしている。のぞき見防止の液晶保護シートを貼って、せっかくのタッチパネルのレスポンスの良さをマイナスにすることもないわけだ。

 視認性という点では「アウトドアビュー」という機能も注目される。一般的に液晶ディスプレイは他のディスプレイに比べ、屋外での視認性が良いとされているが、それでも陽射しの強い日などではいつもよりも見えにくくなってしまうケースがある。アウトドアビューでは周囲の明るさに応じて、画面のコントラストやバックライトの輝度を自動的に最適化することにより、屋外でも十分な視認性を確保している。晴天の日など、明るい場所でディスプレイを見やすくするために、単純にバックライトを明るくするのではなく、コントラストを調整することで、文字をクッキリ見えるようにするなど、液晶を知り尽くしたシャープらしい工夫が盛り込まれている。

文字スタンプや落書きなどの画像編集機能が利用できるピクチャアプリ

 カメラについては、804万画素CMOSセンサーを採用しており、動画についても720pのHD動画を撮影することが可能だ。カメラのユーザーインターフェイスもわかりやすく改良されており、魚眼カメラやミニチュアライズカメラなど、スマートフォンで人気の高いエフェクト撮影機能も搭載されている。カメラで撮影した静止画を送信するとき、相手がスマートフォンやパソコンであれば、あまり気にすることなく、そのまま送信できるが、相手がEZweb端末をはじめとしたケータイの場合、添付ファイルの受信サイズが制限されているため、そのまま送れないことがある。IS14SHのピクチャアプリには、画像編集機能が搭載されており、ケータイに送信できるようにリサイズしたり、写真に飾り付けをすることなどができる。

 また、液晶テレビ「AQUOS」やレコーダーのAQUOSブルーレイと連携が可能なスマートファミリンクも搭載されており、録画した番組をIS14SHに転送して視聴したり、IS14SHで撮影した写真をAQUOSブルーレイにバックアップできるなど、Audio&Visual機能についてもしっかりとユーザーが楽しめる環境を整えている。

いつもテンキーでスマートフォンが楽しめるAQUOS PHONE IS14SHは「買い」!

 自分の周りでケータイからスマートフォンに移行した人を見ていると、楽しそうに使っている人がいる一方、ケータイのときと同じような感覚で使えずに困っていたり、操作に戸惑っている人も多く、いざ自分自身が移行するとなると、「本当にちゃんと使えるだろうか」「うまく使いこなせるかな」と考えてしまう。IS14SHはケータイでおなじみのスライド式ボディに慣れ親しんだテンキーを備えているうえ、ケータイで好評を得てきたさまざまなSHシリーズの機能をしっかりと継承しており、スマートフォンがはじめてのユーザーでも安心して使える環境を整えている。ケータイからスマートフォンへの移行を検討しているユーザーに、ぜひとも試して欲しいモデルだ。

 

法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるWindows 7」をはじめ、「できるポケット SoftBank AQUOS PHONE 006SH スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2011年6月30日発売)、「できるポケット docomo AQUOS PHONE SH-12C スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2011年6月16日発売)などのスマートフォン関連も数多く執筆。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。

 

■関連情報
□「AQUOS PHONE IS14SH」製品情報(au)
 http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/smartphone/is14sh/
□「AQUOS PHONE IS14SH」製品情報(シャープ)
 http://www.sharp.co.jp/products/is14sh/
□シャープ 携帯電話 auラインナップ
 http://k-tai.sharp.co.jp/lineup/au/

■関連記事
□au、スライド型でメールを充実させた「AQUOS PHONE IS14SH」
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20111219_499608.html

 

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