Hourin's Check

 1年間に約3000万台が出荷されるほど、広く普及し始めた国内のスマートフォン。若い世代や実働世代のためのモバイルツールとしてだけでなく、幅広いユーザー層が利用する新しいデジタルツールとして、一段と拡大しそうな勢いだ。なかでも今、もっともスマートフォンやタブレットへの関心が高いと言われるのがシニア世代のユーザーだ。

 シニア世代向けの製品としては、これまでも「かんたん携帯」などのモデルがラインアップされてきたが、これだけスマートフォンが広く普及してくれば、当然のことながら、シニア世代のユーザーにとっても気になるところ。特に、スマートフォンはインターネットを快適に使うことができるため、普段、自宅などでパソコンを使うユーザーにとっては、外出先でも手軽にインターネットが利用できるうえ、地図などもすぐに見られることなども魅力的だ。また、スマートフォンは一般的にフィーチャーフォンよりもディスプレイが大きく、タッチパネルで直感的に操作しやすそうであることもシニアユーザーにとって、気になるポイントと言えそうだ。しかし、その一方で、「スマートフォンは難しそうだ」「ちゃんと使えるだろうか」「いざというときに操作できないと困る」といった、移行を不安に思う声も多く聞かれる。

 今回、ソフトバンクから発売されたシャープ製端末「シンプルスマホ SoftBank 204SH」は、まさにこうしたシニア世代のユーザーの期待に応えるモデルだ。4.0インチのディスプレイを搭載し、タッチパネルでの操作を可能にしながら、見やすくわかりやすい独自のユーザーインターフェイスに加え、専用キーを装備することで、スマートフォンがまったくはじめてのユーザーでも確実に操作できるように作り込まれている。スマートフォンだからと言って、無理に高機能、多機能を追求するのではなく、シャープがこれまでケータイやスマートフォンで培ってきたノウハウを活かし、必要な機能をとことん使いやすく作られたモデルとなっている。ここではシンプルスマホ SoftBank 204SHの機能を解説しながら、注目ポイントをチェックしてみよう。

主な仕様

サイズ(幅×高さ×奥行き)/質量約64×約128×約12.0mm(突起部を除く)/約130g(電池パック装着時)
通信方式(国内)W-CDMA方式(900MHz/1.5GHz/2.1GHz)
通信方式(海外)W-CDMA方式(850MHz/900MHz/2.1GHz) *3GSingleローミング
ディスプレイ4.0インチ WVGAサイズ(800×480ドット)
カメラ[アウト] 有効画素490万画素CMOS(AF対応)
[イン] 有効画素30万画素CMOS
内蔵ライト搭載

サービス・機能

プラチナバンドWi-Fi
テレビ○(ワンセグ)赤外線通信
Bluetooth○(Bluetooth 3.0)おサイフケータイ×
緊急速報メール災害用伝言板
外部メモリ○(microSDメモリカード/microSDHCメモリカード)GPS機能
メール○(S!メール[デコレメール、ムービー写メール、写メール、絵文字])簡易留守録
防水/防塵○/○卓上ホルダー○(同梱)

カラーバリエーション

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見やすい画面とシンプルなインターフェイス

 一般的にスマートフォンはフィーチャーフォンよりもディスプレイのサイズが大きいが、ディスプレイが大きくなれば、ボディ幅も広くなり、持ちやすさに影響するため、バランスのいいサイズ感が求められる。シンプルスマホ SoftBank 204SH(以下、シンプルスマホ)は4.0インチのWVGA液晶ディスプレイを搭載し、ボディ幅を約64mmに抑え、背面のラウンドしたフォルムと共に、視認性と持ちやすさをうまくバランスさせている。実際に持った印象も手にフィットして、非常に持ちやすい。

 ユーザインターフェイスについては、縦横無尽に動かせるようなAndroid標準のものと違い、シンプルな縦方向のみのスクロールで構成された「シンプルラインホーム」を採用する。もっとも利用頻度が高いカメラやブラウザ(インターネット)、地図、実用性の高い辞書やカレンダー、電卓などのアイコンを時計や天気予報などのアイコンと共に最上位にレイアウトし、その他の機能はカテゴリ別に分けて表示される。それぞれのカテゴリはカテゴリタイトルの[閉じる][開く]をタップすることで、表示を開いたり、閉じたりできる。

 また、「かんたんケータイ」でおなじみの楽ともボタンが「楽ともリンク2」として受け継がれており、画面の下部分のエリアに最大4つまで、いつも連絡を取る自宅や友だちなどの連絡先を登録しておくことができる。楽ともリンク2のボタンはシンプルラインホームの画面がスクロールしているときでも固定表示されるため、すぐに電話やメールを使うことができる。ちなみに、ちょっとユニークなのは楽ともリンク2のボタンは、通常の文字表示だけでなく、顔写真を設定したり、好みのアイコンに変更することができる。

 そして、表示される文字についても全体的に大きく設定されており、非常に視認性が良い。電話帳などの文字が大きいのはもちろん、本体の地図アプリの文字表示も大きくなっており、シニア世代のユーザーにはうれしい仕様となっている。

利用頻度の高い機能のアイコンを最上位に大きくレイアウト   縦にスクロールすると、その他の機能のアイコンがカテゴリ別に分けられている   電話帳や地図アプリなどの文字表示も大きくなっている
Check!! 2

押して操作、声でも操作

 スマートフォンをはじめて使うユーザーにとって、不安に感じられるのがその操作だ。フィーチャーフォンと違い、基本的にはタッチパネルで操作をすることになるため、ちゃんとタッチできたかどうか、誤ってタッチしてしまうことはないか、スクロール操作のフリックなどで、画面のアイコンを押してしまわないかなど、妙に神経を使ってしまう。

 そこで、シンプルスマホでは、ボタン表示に指先を当て、軽く押し込むことで、はじめて押した操作になる「かんたん押し感タッチ」を採用している。

 かんたん押し感タッチでは画面に表示されているボタンに触れると、そのボタンの色が変わり、どのボタンを触れているのかが明確にわかる。そして、そのままボタンを押し込むと、ボタンの周囲に青い円が表示されると共に、画面が短く震え、ボタンが押されたことがユーザーにわかるようにしている。ちなみに、押し感の感度は強弱が2段階で調整できるうえ、OFFにもできるので、ユーザーの好みに合わせて設定したり、使い慣れてきたら、OFFに切り替えると使い方もできる。

 また、シンプルスマホは、ディスプレイ下に[電話][ホーム][メール]の3つのボタンが備えられているが、これらのボタンは不在着信や新着メールがあると、光るようになっており、着信を見逃さないようにしている。ちなみに、着信時の操作も多くのスマートフォンでは画面のアイコンなどに触れたり、ボタンを動かしたりして応答するが、シンプルスマホは着信に応答するのも発信するのもこの電話ボタンで操作できるため、非常にわかりやすい。もちろん、メールもメールボタンを押せば、すぐにメール画面が表示される。

 そして、シンプルスマホのスマートフォンらしい機能として、スマート音声操作が用意されている。シンプルラインホームの便利機能カテゴリにある[音声操作]を起動すると、本体に話しかけるだけで、メールの作成や機能の起動ができる。たとえば、「カメラ」と話しかければ、カメラが起動し、「田中さんにメール」と話しかければ、電話帳に登録されている田中さん宛のメールの作成画面が表示される。ちなみに、ユーザーが音声で操作するだけでなく、受信したメールなどを音声で読み上げる機能も搭載されている。

ディスプレイ下のボタンは、不在着信や新着メールがあると光るようになっている   メールの作成や機能の起動が、音声操作でできる
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便利なオリジナルアプリ

 スマートフォンはさまざまな用途に使うことができるが、なかでも幅広いユーザーに利用されているのがマップ、つまり、地図だ。現在地の確認をはじめ、経路検索など、多彩なシーンで活用できる。

 ただ、プラットフォーム標準で提供されている地図アプリは、内容こそ充実しているものの、表示される字が小さく、見えにくいという指摘も耳にする。こうした声に応え、シンプルスマホには通常よりも文字サイズが大きいオリジナルの地図アプリが搭載されている。フリックやピンチイン/ピンチアウトの操作にも対応しており、はじめてのユーザーでも快適に使うことができる。

文字サイズが大きいオリジナルの地図アプリを搭載   [戻る]や[メニュー]などの見やすいボタンをレイアウトしたブラウザ   インターネットや地図、カメラ操作画面など、さまざまなアプリで画面の一部分を拡大表示できる「かんたんズーム」

 また、スマートフォンで標準的に利用されるアプリとして、ブラウザも使いやすさが考えられたものが搭載されている。スマートフォンのブラウザは限られた表示エリアを最大限に使うため、あまり画面上にアイコンなどが表示されない仕様となっているが、シンプルスマホのブラウザには、[戻る]や[メニュー]などの見やすいボタンをレイアウトし、自分の好みに合わせて、文字サイズも変更できるようにしている。

 そして、地図やブラウザをはじめ、さまざまなアプリで利用できるのが「かんたんズーム」という機能。[戻る]と[メニュー]の間にある虫眼鏡ボタンを押すと、画面の一部が円状に拡大され、その円を自由にスライドさせることにより、地図やWebページの一部を拡大して表示することができる。ブラウザなどでは拡大した部分のリンクもそのままクリックすることができ、本物の虫眼鏡を当てているような感覚で使え、シニア世代のユーザーならずとも使っていて楽しくなる機能だ。

 この他にもシンプルスマホには、厳選された実用的なアプリや機能が搭載されており、購入直後から存分に活用することが可能だ。

プリインストールアプリ一覧

Check!! 4

安心&定番機能

 スマートフォンとケータイは似て非なるものと言われることがあるが、そうは言っても通話やメールなどのコミュニケーション機能は、どちらにも共通する大切な基本機能だ。

 まず、通話については、フィーチャーフォンでもおなじみの「トリプルくっきりトーク」が搭載されている。こちらの周囲の雑音を軽減したり、周囲の騒がしさを検知したときに相手の声の音量を上げて聞きやすくしたり、相手の声と自分の声が混じってしまうエコーを抑え、はっきりと会話できるようにするなどの機能で構成されている。こうした音声サポートの機能はシニア向け特有と捉えられがちだが、実は周囲が騒がしいときの対応などは年齢にかかわらず、誰にでもメリットのある機能だ。

トリプルくっきりトーク

 メールについては長くケータイのメールサービスが利用され、完全に定着していることもあり、シニア世代もアクティブに使いこなしているユーザーが多い。とは言うものの、メールを読むだけで、返事は面倒だから後回しにして、いつしか返事を出すのを忘れて、メールを出した側は読んだかどうかがわからず、ヤキモキするといったことが起こる。

 そこで、シンプルスマホでは、登録した相手からのメールを開くと、読んだことが自動的に相手に返信される「読んだよメール」が搭載されている。これに加え、あらかじめ登録した相手に対し、1日1回、元気で過ごしていることを伝える「元気だよメール」も利用可能。シンプルスマホに搭載されている歩数計を設定しておけば、元気だよメールを送るときに、前日の歩数を送ることもできる。

 シンプルスマホはシニア世代の親にプレゼントするケースも多いが、元気だよメールなどの機能はプレゼントする実働世代のユーザーにとっても安心だ。同じ安心機能としては、背面に誤操作しにくいスライド式の緊急ブザーも装備されている。スイッチを入れると、大音量の緊急ブザーが鳴ると共に、あらかじめ登録しておいた連絡先への自動発信や位置情報メールの送信もできる。万が一のときにも速やかな対応を取ることが可能だ。

 カメラについては490万画素CMOSセンサーによるカメラを搭載しているが、「シャッター」または「はい、チーズ!」でシャッターを切る「音声で撮影」、笑顔でシャッターを切る「笑顔で自動撮影」、動画を撮る「ビデオカメラ」、カメラをルーペ代わりに使う「拡大鏡」など、かんたんケータイなどで親しまれてきた機能がしっかりと継承されている。撮影した写真をイベント別や人物別などに振り分けて登録できる「アルバム」も便利な機能で、顔写真などもあらかじめ登録しておけば、自動的に振り分けることも可能だ。もちろん、撮った写真をメールで送るだけでなく、他のケータイやスマートフォンに赤外線通信で送信することもできる。

 さらに、シニア世代のユーザーならずともスマートフォンをはじめて使う人にとって、とても不安なのがウイルスやフィッシングといったトラブルだ。シンプルスマホにはソフトバンクが提供する「マカフィー」(スマートセキュリティ powered by McAfee)、「Web保護」(Internet SagiWall)が用意されており、購入時にセットアップしておけば、トラブルを未然に防ぐことができる。ちなみに、アプリ追加については、こうしたトラブルを避けるため、Google Play™ に非対応となっている。

背面に装備されているスライド式の緊急ブザー   カメラ機能は、音声でシャッターを切ることや、笑顔で自動撮影などができる
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パケット定額サービス

 これまでのケータイからスマートフォンに移行するとき、どうしても避けられないのが通信コストの増加だ。ユーザーが操作しない限り、メールの受信時などを除き、自動的に通信が発生しないケータイに対し、スマートフォンはアカウントを設定すれば、自動的にさまざまな通信を行なうため、どうしてもパケット通信料が増える傾向にある。とは言え、コストは抑えたいところだ。

 そこで、ソフトバンクではシンプルスマホユーザー向けに、「パケットし放題フラット for シンプルスマホ」を月額2980円で提供している。毎月のデータ通信量は500MBまでで、それを超えた場合は通信速度が128kbpsに制限されるが、通話やメールなどは変わりなく使えるため、安心して使うことができる。ホワイトプランとの組み合わせであれば、オプションサービスなどを追加しても月々の負担額をグッと抑えることが可能だ。


法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるWindows 8」をはじめ、「できるポケット docomo AQUOS PHONE sv SH-10D スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2012年8月31日発売)、「できるポケット SoftBank AQUOS PHONE 006SH スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2011年6月30日発売)などのスマートフォン関連も数多く執筆。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。



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