スマートフォンは便利だけど

 国内市場でスマートフォンの本格的なラインアップ展開が始まって、数年が経つ。なかでも2010年以降は、各社からワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信という『三種の神器』に対応したモデルが登場し、待ち望んでいたユーザーはこぞって、スマートフォンに移行した。昨年あたりからはプラットフォームのAndroid 4.xが搭載されて、安定度が増すようになり、防水防じん対応モデルのラインアップも充実し、いよいよ本格的にスマートフォンの普及が幅広いユーザー層に拡大しそうな気配だ。

 機能的に充実し、プラットフォームが落ち着いてきたことで、ユーザーのスマートフォンに対する不満もかなり解消されてきた印象が強いが、この数年間のスマートフォンへの移行において、まったく変わっていないユーザーの不満がある。それは消費電力、つまり「電池の持ち」だ。スマートフォンは一般的にケータイに比べ、消費電力が大きく、電池の持ちが良くないとされている。たとえば、ケータイでは2〜3日に1回程度、充電していれば、十分に使えていたのに、スマートフォンに移行したら、1日に何回も充電しなければならなくなったという人も多い。筆者自身もまさにそんな感覚で、この数年間、スマートフォンを利用してきた。

 スマートフォンは元々、ケータイと比較して、構造的に消費電力が増える傾向にあることはご存知の人も多いだろう。たとえば、ケータイは基本的にユーザーが操作しなければ、メールの自動受信などの例外を除き、通信が発生しないが、スマートフォンはさまざまなサービスのアカウントを設定することにより、自動的に通信をする回数が増え、結果的に消費電力が増えてしまう。

 また、ハードウェアとしてもケータイではCPUのクロック周波数が数百MHzクラスだったが、スマートフォンではすでに2年前の段階でシングルコアの1GHzクラスが主流であり、最新のモデルではクアッドコアで1.5GHzクラスが搭載されている。CPUパワーが向上することで、ユーザーが操作するときの快適性は向上したが、動画やゲームなど、よりCPUパワーを必要とする使い道も拡げることになり、結果的に消費電力が増える傾向は加速している印象だ。搭載する電池パック(バッテリー)について、当初は1000mAhクラスを『大容量』と表現していたが、現在のハイエンドモデルではその2倍に相当する2000mAhクラスを搭載するモデルが続々と登場している。しかし、バッテリーの大容量化は結果的にボディサイズに直接、影響してしまうため、ただ単に大容量化すればいいというわけでもなく、スマートフォンのデザインともバランスを取りながら、各社とも工夫を凝らしている。

 一方、ソフトウェア面については、シャープが国内でもいち早くAndroidプラットフォームに着手したノウハウを活かし、2011年冬モデルから「エコ技」機能を搭載することにより、プラットフォームレベルでの省電力を実現している。「エコ技」機能はAndroidプラットフォームでのアプリの動作の制御をはじめ、バックライトのコントロールなど、総合的な省電力機能を実現するもので、「技ありモード」に設定すれば、標準モードで利用したときよりも数十%以上のロングライフを実現する。筆者自身もいくつかのスマートフォンを持ち歩いてきたが、各社の省電力機能で、エコ技はもっとも効果的な省電力を実現していたソリューションのひとつと言えるだろう。

 ただ、こうしたソフトウェアレベルの制御による省電力にはどうしても限界があり、スマートフォンの連続使用時間を飛躍的に延ばすというレベルには達していない。スマートフォンの普及が始まった2年前に比べれば、確実に連続使用時間は延びたと言えるが、ケータイからの移行ユーザーから見れば、まだまだ「スマートフォンは電池が持たない」という印象が強く、それに対する答えは各社ともなかなか打ち出せていないのが実状だ。

 今回、ソフトバンクから発売されたシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE Xx SoftBank 203SH」(以下、203SH)は、スマートフォンを構成するパーツの中でももっとも電力消費への影響が大きいとされる液晶ディスプレイにおいて、革新的な技術である「IGZO」を搭載した液晶ディスプレイを採用することにより、これまでのスマートフォンとは明らかに一線を画した省電力、ハイパフォーマンス、ハイスペックを実現した期待のモデルだ。IGZOについては、すでに本誌をはじめ、一般メディアの記事などでも高い性能が伝えられ、本項の別記事でも詳しく内容について解説しているが、スマートフォンの『電池の持ち』に対する印象を大きく変えてしまうほどのポテンシャルを持つ。「余裕の2日間」というキャッチコピーからもその自信がうかがえるが、そのほかのスペックとも相まって、この春、もっとも期待できるスマートフォンのひとつであることは間違いない。

ソフトバンクから発売されたAQUOS PHONE Xx SoftBank 203SH。サイズは、幅約69mm、高さ約137mm、奥行き約10.9mm。重量は約146g

「余裕の2日間」を活かすハイスペック

 昨年来、各方面で非常に高い注目を集めているシャープの「IGZO」搭載液晶だが、詳細については別記事を参照していただくとして、ここでは少しおさらいをしながら、解説をしよう。

 IGZOは「インジウム(In)」「ガリウム(Ga)」「亜鉛(Zn)」で構成する「酸化物(O)」によって構成される酸化物半導体であり、この酸化物半導体を使って製造されているのが「IGZO搭載ディスプレイ」ということになる。液晶パネルは一般的にそれぞれの素子が格子状に並び、それぞれの枠には枠内の液晶を変化させるための薄膜トランジスタが付けられている。薄膜トランジスタに電気を通すことで、液晶を変化させ、バックライトからの光を通したり、遮ったりすることで、画面の文字やグラフィックを表示させるのだが、液晶パネルの枠内に付けられた薄膜トランジスタはバックライトからの光を部分的に遮ってしまっている。これに対し、IGZOは一般的な液晶パネルに採用されるアモルファスシリコンに比べ、電子の移動度が高いため、枠内に付けるトランジスタを小型化でき、枠を構成する線も細線化できるため、全体的にバックライトの光を遮るものを少なくできる。その結果、液晶パネルの高精細化やバックライトの省電力化を実現できるというわけだ。画面表示時間の長いスマートフォンにとって、IGZO搭載ディスプレイの省電力は非常に有効な手段というわけだ。

 また、一般的に液晶パネルは静止画を表示しているときでも毎秒60回も動作させており、その分、消費電力が増える傾向にある。これに対し、IGZO搭載ディスプレイは毎秒1回の動作で表示を維持できるため、CPUの動作を減らし、結果的に消費電力を抑えることを可能にしている。最近のエコカーでは信号で停止しているときにエンジンのアイドリングを停止させるアイドリングストップが標準的になってきたが、IGZO搭載ディスプレイも同じように、静止画を表示しているときはCPUの動作を抑え、電池の消費を抑え、ロングライフを実現している。たとえば、2011年冬モデルのAQUOS PHONE SoftBank 102SHと比較した場合、連続静止画表示時間は約4.4倍の約24時間になり、連続動画再生時間も約3倍の約10時間を可能にしている。この比較を見るだけでもいかにIGZO搭載ディスプレイの省電力性能が優れているかがよくわかる。



 そして、表示デバイスとしての液晶パネルは高画質や高精細などが重要だが、スマートフォンは画面に触れて操作するため、操作デバイスとしての性能も重要になる。IGZO搭載ディスプレイはこの操作デバイスとしての性能、つまりタッチパネルの性能面においてもアドバンテージを持つ。一般的に液晶ディスプレイに組み込まれるタッチパネルは、周辺回路などのノイズの影響を受けやすく、ユーザーが触れた位置が正しく検出できなかったり、反応が遅くなってしまうことが起こり得る。特に、スマートフォンはWi-FiやGPSアンテナ、Bluetooth、ワンセグなど、さまざまな電波を扱うデバイスがコンパクトな筐体に詰め込まれているため、どうしてもノイズの影響を受けやすい状況にある。しかし、IGZO搭載ディスプレイは元々、タッチ検出の邪魔になるノイズ発生時間が短いという特長を持っているため、ユーザーが画面に触れたときの信号を正しく検出でき、快適かつ正確な操作を可能にしている。これに加え、シャープ独自のタッチ操作チューニング技術により、タッチ操作の反応と動きのなめらかさを両立させたダイレクトトラッキング技術を搭載し、ユーザーがストレスなく、タッチ操作ができる環境を実現している。

 こうしたIGZO搭載ディスプレイが実現する快適な環境に加え、これまでのシャープ製スマートフォンに搭載されてきたディスプレイ関連機能も受け継がれている。たとえば、液晶テレビ「AQUOS」で培ってきた画質調整技術「SVエンジン3」ではsRGB基準によるチューニングで、オンラインショッピングの商品を実物の色に近づけて表示できる「ナチュラルカラーモード」、利用環境に応じて、屋外などでも最適なコントラストで動画やWebページが表示できる「アウトドアビュー」、交通機関や街中で利用しているとき、周囲からののぞき見をステータスパネル内で簡単に制限できる「カラーベールビュー」などは、いずれも実際の利用シーンに直結した機能であり、新しい技術によるディスプレイでありながら、きちんと機能を継承している点は、ユーザーにとってもうれしいところだ。

液晶周りの額縁を狭くする「Edge to Edge設計」により、ボディ幅を約69mmに抑えている
ラウンドさせた本体背面   本体上部にストラップホールが備えられている

最新のSoftBank 4Gに対応

「Google Now」がサポートされたAndroid 4.1を採用

ステータス画面(通知パネル)に表示された不在着信通知から、直接発信したりSMSの送信ができる

 IGZO搭載ディスプレイによる省電力や快適な利用環境が優れている203SHだが、ディスプレイ以外のスペックも非常に充実している。

 まず、プラットフォームは画面表示の高速化やGoogle Nowがサポートされた「Android 4.1」を採用する。Android 4.1についてはまだ搭載スマートフォンがそれほど多くないが、細かい部分も含め、実用面でのメリットも多い。たとえば、Miracastによるワイヤレスディスプレイの出力に対応し、スマートフォンで表示中の写真やインターネット経由で視聴している動画などを対応テレビに出力できたり、ステータスパネルに表示された着信履歴から直接、相手に発信したり、SMSを送信することができる。NFCにも対応しているため、Android Beamで他の端末などに写真などのデータを簡単に送ることができる。Google Nowについては、まだサービスが提供され始めたばかりで、それほど多くのカードが表示されるわけではないが、現在地の天気以外にも新しい情報が表示されるようになりつつあり、今後のGoogleのサービス拡充が期待される。

 CPUはQUALCOMM製クアッドコアのSnapDragon S4 Pro APQ8064/1.5GHz、メモリはRAMが2GB、ROMが32GBを搭載し、現時点でトップクラスのスペックを実現している。

 通信環境については、ソフトバンクが昨年からスタートさせているAXGP方式によるSoftBank 4Gに対応し、理論値ながら受信時最大76Mbpsの高速通信を可能にする。SoftBank 4G以外のエリアについては、ソフトバンクが従来から提供しているDC-HSDPA方式によるULTRA SPEEDの受信時最大42Mbpsの環境が利用できる。昨年7月から全国にエリアを展開しているプラチナバンドにも対応するが、203SHでは新たにダイバーシティアンテナを搭載することにより、複数のアンテナで安定した高速通信を利用できるように設計されている。

 Wi-Fiについては、2.4GHzと5GHz帯を利用したIEEE802.11a/b/g/nに対応し、設定はAOSSとWPSによる簡易設定が利用できる。特に、安定した無線LANによる通信が可能な5GHz帯に対応したことは自宅などでの利用でメリットがある。また、これまでは3G/4GネットワークとWi-Fiネットワークを切り替えるとき、若干のタイムラグがあり、実用面でややストレスがあったが、今回は内部の処理を見直し、切り替え時間を短縮している。Wi-Fi関連では前述のワイヤレス出力に加え、ワイヤレスプリントにも対応しており、パソコンを使わずに、対応するエプソン製プリンタで、マップやクーポンなどを直接、プリントすることが可能だ。

 パフォーマンスが高くなれば、自ずとバッテリー消費が気になるところだが、前述のIGZO搭載ディスプレイによる省電力だけでなく、さまざまなロングライフへの取り組みが行なわれている。バッテリーは2200mAhのリチウムポリマー大容量バッテリーを採用し、固定式にすることにより、スリムなボディにまとめている。利用頻度の高い音楽再生については楽曲データを効率良く処理することにより、消費電力を抑え、音楽の連続再生時間を約70時間まで延ばしている。

 そして、前述の「エコ技」機能も搭載されており、203SHでは購入時の標準モードから技ありモードに切り替えるだけで、実使用時間が約13%アップする。電池残量が厳しくなってきたときは、最小限の消費電力に抑えられるお助けモードに切り替えることも可能だ。ちなみに、この技ありモード設定時、画面描画とタッチパネルのフレームレートを問題なく利用できるレベルまで落とすことで、省電力を実現している。また、電池残量や時間帯に応じて、動作モードを切り替えたり、画面OFF時にバックグラウンドで動作するアプリを個別に制御し、視覚的にわかりやすい形で設定ができる省エネ待受も利用することが可能だ。

カメラやエンターテインメント、実用機能も充実

 IGZO搭載ディスプレイやエコ技機能による省電力が注目される203SHだが、カメラやエンターテインメント、実用系機能も充実している。

 カメラは裏面照射型CMOSセンサーによる1630万画素カメラを搭載し、画像処理エンジン「ProPix」と組み合わせることにより、ノイズの少ない美しい高精細な写真を撮影できる。起動も従来モデルに引き続き、ウェルカムシートから約0.4秒で起動できる「ON速起動」に対応する。撮影時の機能としては、従来の電子式に加え、光学式と音声コマンドによるシャッター「Voice Shot」を組み合わせたトリプル手ぶれ対策、料理や風景、人物などの撮影シーンに合わせた設定で撮影できる高精度シーン別検出エンジン、ユーザー自身によるシーン設定、4Mサイズでタイムラグなしに撮影できる連撮モードなどを搭載する。なかでもぜひ活用したいのがVoice Shotで、『シャッター』や『はい、チーズ』といった掛け声でシャッターが切れるだけでなく、『明るくして』で明るさの調整、『ズームして』でズームインをするといったカメラ設定に加え、『連写カメラ』『動画撮影』といった声でカメラモードを切り替えることもできる。また、高機能化が進んだカメラモードを手軽に切り替えられるようにするため、「カメラWidget」が用意されており、最大3つまでのモード設定を登録しておくことで、すぐに目的のモードでカメラを起動することができる。動画撮影についてはフルHDに対応し、動画撮影中の静止画キャプチャ、簡単な動画編集などの機能も搭載される。

ウェルカムシートの鍵アイコンをタップすると表示されるショートカット。ここからカメラを起動すると、約0.4秒で起動する   音声操作でシャッターを切ったり、明るさを調整したりすることができる   最大3つまでのモード設定を登録できる「カメラWidget」

 端末そのものの直接的なエンターテインメントではないが、ハイスペックを活かした機能も搭載されている。たとえば、最近ではテレビを見ながら、Twitterなどでコミュニケーションを楽しむ利用スタイルが増えているが、203SHではTwitterなどの画面にワンセグの画面をウィンドウで重ねて表示できる「アナザービュー」が利用できる。ウィンドウサイズも3段階に変更でき、動画もワンセグだけでなく、YouTubeの動画なども重ねて表示することが可能だ。少し変わった活用スタイルでは、別売の卓上ホルダーに端末をセットしたとき、ニュースやスケジュール、メールや不在着信、SNSの更新情報などをひとつの画面にまとめて表示できる「パーソナルコレクトボード」がなかなか実用的だ。朝起きたとき、卓上ホルダーにセットされた203SHをひと目見れば、必要な情報を確認できるわけだ。ちなみに、卓上ホルダーに端末をセットしたときやUSBケーブルで充電を開始したとき、横画面でワンセグの録画番組やブルーレイディスクレコーダーから転送した番組、YouTubeの新着動画などを時計と共に表示する「Dock to Play」という機能も利用できる。

「アナザービュー」では、ワンセグ、内蔵動画、ネット動画(YouTube)の画面をウィンドウで重ねて表示できる   ニュースやスケジュール、メールや不在着信、SNSの更新情報などをひとつの画面にまとめて表示できる「パーソナルコレクトボード」

 実用系機能としては、「Finger Step」や「音声コントロール」、「Bright Keep」、「「書」メモ」などが便利だ。Finger Stepは画面がOFFの状態のとき、本体のディスプレイ面や背面をダブルタップすると、音声コマンドが利用できるというもので、あらかじめ設定しておけば、音声認識でアプリを起動することができる。着信時の応答も同様の操作が可能で、着信音が鳴っているときに端末を裏返すと、着信音やバイブを一時的に停止する「クイックサイレント」が利用でき、あらかじめ登録しておいた音声コマンドを発することで、電話に出ることもできる。「書」メモはIGZO搭載ディスプレイの特徴を活かした機能のひとつで、表示している画面にメモを手書きで書き加え、画像として保存することができる。たとえば、地図に必要な道順や目印を手書きで書き込み、それを切り抜いて、メールに添付して送信するといった使い方もできる。ちなみに、この「書」メモは端末を利用中、2回振ったときに表示される「クイックツールボックスEX」から起動できる。Bright Keepは本体に内蔵されたモーションセンサーを使い、端末を持っているか、置いているかを判別し、持っているときは操作をしていなくても画面を消さないようにすることができる。また、画面OFFで待機中、通常は電源キーを押して、画面をONにするが、「Sweep ON」を有効に設定することで、画面をなぞるだけで表示をONに切り替えることができる。

 画面をONにする操作については、本体前面に備えられた「クイック起動キー」を短押しでも操作できる。このクイック起動キーは短押しで画面表示のON/OFFが切り替えられるほか、短押しや長押しに特定のアプリを起動するように割り当てることもできる。

 最近のスマートフォンは、ソフトバンクがエイベックスとスタートさせた「UULA」のように、エンターテインメントコンテンツが増えてきているため、何か映像を表示させた状態で、子どもに渡して見せるような使い方をするケースが増えているが、203SHでは「チャイルドロック」という機能を搭載することにより、画面に触れても誤作動を防げるようにしている。チャイルドロックがかかった状態でもディスプレイ下にあるタッチセンサーを操作することで、音量のUp/Down操作はできる。もちろん、子どもに見せるときだけでなく、スマートフォンの扱いに慣れていない人に映像などを見せたいときにも役立つ機能だ。

本体前面クイック起動キーが備えられている。また、音量のUp/Downは本体右下のタッチセンサーで操作できる   画面消灯時に本体のディスプレイ面や背面をダブルタップすると、音声でアプリを起動できる

 ユーザーインターフェイスは従来に引き続き、好みに応じた直感操作ができる「Feel UX」が採用されており、はじめてのユーザーでも快適に操作できる環境を実現している。Feel UXはロック機能と壁紙、よく使う機能を割り当てた「ウェルカムシート」と、「アプリケーションシート」、「ウィジェットシート」、「ショートカットシート」の3つのシートが並ぶ「3ラインホーム」から構成されている。ウェルカムシートには株価や天気予報なども表示できるほか、音楽プレーヤーの操作もできる。3ラインホームは3つのシートが縦方向にスクロールする構成だが、203SHでは画面上段のタブをロングタッチすることで、シートの並びを変更したり、スクロールバーをタッチしたまま、上下に動かしてすばやくスクロールさせたり、アプリケーションシートに表示されるアプリのアイコンの表示/非表示を切り替えられるなど、カスタマイズしやすくなっている。ちなみに、画面最下段には電話、メール、ブラウザのアイコンが並んでいるが、この部分もよく使うアプリに変更できるようになっている。ウィジェットシートには前述の「カメラWidget」などが設定できるが、新たに「Social Board」と呼ばれるウィジェットが用意されており、これを設定することで、FacebookやTwitter、mixiなどのアプリを起動しなくても更新情報を表示させることが可能だ。ちなみに、すでにAndroidプラットフォーム標準のホームアプリを利用していたり、他メーカーのホームアプリで慣れているユーザーは、標準でプリセットされている「SHホーム」に切り替えれば、あまり戸惑わずに操作できるだろう。

株価や天気予報なども表示できる「ウェルカムシート」   3つのシートが縦方向にスクロールする「3ラインホーム」を搭載   Android標準のホームアプリと似た「SHホーム」も標準でプリセットされている   FacebookやTwitter、mixiなどの更新情報を表示できる「Social Board」

余裕の2日間を思う存分楽しめる史上最強のAQUOS PHONE Xx SoftBank 203SHは「買い」!

 スマートフォンはこれまでのケータイと違ったポテンシャルを持っていることは誰もが認めるところだろう。音声通話やメールといったコミュニケーションにはじまり、ブラウザなどを利用した情報検索、アプリを利用した実用ツール、いつでもどこでも楽しめるゲーム、FacebookやTwitterといったソーシャルサービス、さまざまなシーンで役に立ち、遊びゴコロのある写真も撮れるカメラ、毎日の生活に欠かせない音楽、YouTubeやUULAのような動画によるエンターテインメントなど、これまでのケータイなどでは考えられなかったほど、多彩な活用、さまざまな楽しみ方ができる。しかし、こうした多彩な利用も本体に十分な電池残量があり、なおかつ快適な操作環境があって、はじめて実現できる話だ。特に、スマートフォンの消費電力の大きさはスマートフォンの進化のプロセスの中でも明確に「これなら!」と言えるような解決策がなかなか見えてこなかったのも事実だ。今回、ソフトバンクから発売されたシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE Xx SoftBank 203SH」は、まさにこうしたユーザーの期待に応えてくれるモデルと言えるだろう。IGZO搭載ディスプレイやエコ技による省電力性能をはじめ、快適な利用環境を実現するハイスペック、「これは便利!」とユーザーが実感できる実用的な機能など、AQUOS PHONE史上最強のスマーフォンと言えるだけのモデルに仕上げられている。203SHはスマートフォンの可能性を最大限に活用したいユーザーに、ぜひとも楽しんで欲しいモデルと言えるだろう。

プロフィール

法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるWindows 8」をはじめ、「できるポケット docomo AQUOS PHONE sv SH-10D スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2012年8月31日発売)、「できるポケット SoftBank AQUOS PHONE 006SH スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2011年6月30日発売)などのスマートフォン関連も数多く執筆。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。

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