法林岳之レビュー

先端ハードウェアが「使いやすさ」に結実
最高のユーザビリティを実現した
新世代スマートフォンAQUOS
~2016年夏モデル~

この夏、シャープ製スマートフォンの「AQUOS」がデザインを一新し、新世代スマートフォンAQUOSとして登場した。NTTドコモ向けの「AQUOS ZETA SH-04H」、au向けの「AQUOS SERIE SHV34」、ソフトバンク向けの「AQUOS Xx3」は、いずれも基本的なデザインを共通にしながら、それぞれに各携帯電話事業者のネットワークやサービスに最適化したモデルとして開発されている。3機種ともすでに販売が開始され、レビューについても掲載しているが、今回はスマートフォンAQUOSのハードウェアの注目機能を中心に解説しよう。

スマートフォンの進化を支えるハードウェア

国内のモバイル業界において、さまざまな先進的な機能を次々と実現し、市場をリードしてきたシャープ製端末。ケータイ時代には世界初のカメラ付きケータイを生み出したり、カラー液晶搭載端末や大画面競争でも他社製端末をリードしてきた。スマートフォンでも国内でもっとも早くAndroidプラットフォームに取り組み、おサイフケータイやワンセグといった『日本仕様』も真っ先に搭載してきた。

こうしたスマートフォンの進化で、重要なカギを握るのが心臓部となるチップセット(CPU)をはじめ、情報を表示するディスプレイ、各種センサー、写真や動画を撮影するカメラモジュール、バッテリー、メモリーといったハードウェア構成だ。

チップセットについては、実装方法などで性能に若干の違いが見られることはあるものの、同じチップセットが搭載されたスマートフォンであれば、処理性能などであまり大きな差が表われることは少なく、ユーザーの体感への影響も少なくなりつつある。

これに対し、スマートフォンを実際に使ったときの印象やユーザビリティ、実用性などを大きく左右するのがディスプレイやセンサー、カメラ、バッテリーなどだ。ディスプレイやカメラなどのパフォーマンスによって、ユーザーがスマートフォンを快適に使えるか、楽しんで使えるか、便利に活用できるかといった実用レベルでの満足度を大きく左右する要素になりつつある。

そんなスマートフォンのハードウェア構成において、シャープ製スマートフォン『AQUOS』は、お家芸である液晶ディスプレイをはじめ、ケータイ時代からのノウハウが活きるカメラモジュールなどで、アドバンテージを築いてきた。今回、発売されたNTTドコモ向けの「AQUOS ZETA SH-04H」、au向けの「AQUOS SERIE SHV34」、ソフトバンク向けの「AQUOS Xx3」の3機種も「ハイスピードIGZO」や「約2260万画素カメラ」を搭載し、一新したデザインと共に、非常に高い完成度を実現している。

ハードウェアがユーザビリティを進化させたAQUOSの特長を見ていこう

なめらか表示と省電力を両立するハイスピードIGZO

今回のNTTドコモ向けの「AQUOS ZETA SH-04H」、au向けの「AQUOS SERIE SHV34」、ソフトバンク向けの「AQUOS Xx3」の3機種は、いずれも1080×1920ドット表示が可能な「ハイスピードIGZO」と名付けられた約5.3インチのIGZO液晶ディスプレイが搭載されている。

IGZO液晶ディスプレイについてはこれまでの機種にも搭載されてきたので、おさらいになるが、IGZOは「In(インジウム)」「Ga(ガリウム)」「Zn(亜鉛)」「O(酸素)」によって構成される酸化物半導体で、これを使って、液晶パネルが構成されている。

TFT特性概略図

  IGZO-TFT アモルファスシリコンTFT
(a-Si TFT)
低温ポリシリコンTFT(LTPS)
CGシリコン
材料 インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)の4元素の化合物 シリコン(Si) シリコン(Si)
電子移動度 10cm2/Vs以上 0.5cm2/Vs以上 LTPS: 100cm2/Vs以上
CG Silicon: 250cm2/Vs以上
リーク電流 10E-16A/μm以下 10E-13A/μm以下 10E-12A/μm以下

液晶パネルは格子状に仕切られた素子で構成されており、そこにひとつずつ薄膜トランジスタが付けられている。この薄膜トランジスタに電気を通し、枠内の液晶分子を変化させることで、バックライトからの光を透過させたり、遮ったりすることで、文字やグラフィックを表示させている。ところが、この薄膜トランジスタは液晶パネルの素子の枠内に付けられているため、自らもバックライトの光を遮ってしまっている。

これに対し、IGZOは一般的な液晶パネルに採用されているアモルファスシリコンに比べ、約20〜50倍も電子移動度が高いため、格子の枠内に付けるトランジスタを小型化できるうえ、液晶パネルの素子の枠も細線化できるため、それぞれの素子の開口部が広くなり、バックライトの光を遮る部分をグッと少なくすることができる。スマートフォンはディスプレイの点灯時間によって、消費電力が大きく変わってくるが、IGZOはバックライトの光量を適切な明るさに抑えられるため、バッテリー駆動時間を長くできるわけだ。

IGZOはTFT回路のサイズが大幅に小型化されることで、バックライトの透過率を高くすることができる。これにより、同じバックライト光量ならディスプレイ輝度がアップし、同じディスプレイ輝度ならより少ないバックライト光量で済む。高輝度化と省電力、両方に恩恵があるわけだ

また、IGZOは半導体として、OFF特性が高いという特徴もある。液晶パネルは薄膜トランジスタに電気を通し、液晶分子を変化させることで文字やグラフィックを表示するが、アモルファスシリコンや低温ポリシリコン液晶はリーク電流が大きいため、表示を維持するには一定の駆動電圧を掛け続ける必要がある。これに対し、IGZOはOFF抵抗が低く、リーク電流も小さいため、電位が保持されている間は駆動電圧をかけなくても表示を継続することができる。具体的には、一般的な液晶パネルが毎秒60回の書き換えをすることで表示を維持しているのに対し、IGZO液晶パネルは毎秒1回の書き換えで表示が維持できるため、消費電力を抑えることができるわけだ。この動作をシャープではクルマのアイドリングストップに倣い、『液晶アイドリングストップ』と呼んでいる。

液晶アイドリングストップの仕組み

こうした特徴を持つIGZO液晶パネルだが、今夏に発売されたスマートフォンAQUOS3機種には「ハイスピードIGZO」が搭載されている。これはどういうものなのだろうか。

前述の通り、一般的に液晶パネルは毎秒60回の画面書き換えが発生する。ところが、動きの激しい動画などを表示すると、毎秒60回の画面書き換えでも残像が残ってしまうことがある。かつて、液晶テレビが普及し始めたばかりの頃、この残像を軽減するため、画面書き換え回数を2倍に増やした「倍速液晶」などと呼ばれる機能を搭載した製品が登場したが、今回のハイスピードIGZOはこれと同じ仕組みを使ったもので、毎秒120回(120Hz)の画面書き換えにすることで、動画コンテンツなどのなめらかな表示に加え、画面スクロール時でも文字などがクッキリと表示される環境を実現している。

ただ、120Hzで駆動することになると、一般的な液晶ではその分消費電力が増えてしまい、バッテリー駆動時間も短くなってしまう。ところが、IGZOは静止画を表示しているときは毎秒1回しか書き換えが発生しないため、消費電力への影響は極めて少なく抑えられている。裏を返せば、IGZO液晶パネルだからこそ、スマートフォンでも120Hz駆動によるなめらか表示を可能にしたというわけだ。

また、このハイスピードIGZOの効果はなめらか表示と省電力だけではなく、副次的なメリットも持ち合わせている。よくスマートフォンを長時間操作していると、ディスプレイを見る時間も長くなるため、眼が疲れるという声を耳にするが、ハイスピードIGZOは従来の60Hz駆動の液晶パネルに比べ、眼が疲れにくいという実験結果が得られている。詳しい実験内容はシャープのWebページにも掲載されているが、スマートフォンの楽しみが増えてきた現状を考えると、こうした負担軽減も魅力のひとつと言えるだろう。

シャープ公式サイトより

さらに、ハイスピードIGZOの120Hz駆動を活かすため、スマートフォンAQUOSに保存されているフルHDやHDサイズの動画を再生するとき、30fps(毎秒30フレーム)の動画をフレーム補完をすることで、最大120fpsで再生できる「フレームプラス」という機能も搭載される。各社の動画サービスにはコンテンツをダウンロードできるものがあるが、端末に保存することで、最大4倍のなめらかさ表示が可能になるケースもあるわけだ。

これらの特徴からもわかるように、ハイスピードIGZOは美しい表示はもちろんのこと、他製品にはないなめらかな表示が可能なうえ、省電力性能にも優れるという、まさにスマートフォンに搭載されるディスプレイとしては、最強のディスプレイに仕上げられているわけだ。

スマートフォン最高画質の約2260万画素カメラ

スマートフォンを構成するハードウェアの中で、ユーザーが実際に利用するシーンに直結するのがカメラだ。改めて説明するまでもなく、シャープは世界初のカメラ付きケータイを生み出したメーカーであり、ケータイ時代の高画素化競争でも他社をリードしてきた。スマートフォン時代に入ってからもカメラの画質だけでなく、シーン別撮影やフレーミングアドバイザーなど、実用性の高い撮影機能を搭載し、支持を得ている。

今回のNTTドコモ向けの「AQUOS ZETA SH-04H」、au向けの「AQUOS SERIE SHV34」、ソフトバンク向けの「AQUOS Xx3」の3機種には、約2260万画素CMOSイメージセンサーに、F値1.9の明るいレンズを組み合わせたカメラモジュールが搭載される。こうしたスペックで見ても十分なスマートフォンAQUOSのカメラだが、スマートフォンのカメラの性能は必ずしも画素数やレンズの明るさだけで決まるものではない。実際には画像処理エンジンの能力にも大きく左右されるうえ、レンズも明るさだけでなく、周辺部の歪みの少なさなどが写真の仕上がりに大きく影響を与える。

シャープではこうした総合的なカメラの性能を評価する指標として、従来モデルからリコーのハイエンドデジタルカメラ「GR」シリーズの開発メンバーによる「GR certified」と呼ばれる画質認証プログラムを取得している。リコーのGRシリーズと言えば、ハイエンドのコンパクトデジタルカメラの中でも常に高い評価を得てきたシリーズとして知られており、筆者の周りにいるデジタルカメラに詳しいジャーナリストやプロのカメラマンからも認められている。そのGRシリーズを開発したチームのお墨付きを得たカメラがスマートフォンAQUOSに搭載されているわけだ。

では、具体的にGR certifiedではどのようなことがチェックされているのだろうか。まず、レンズについては「中心から周辺まで均質で高いコントラストと解像力を持つレンズであること」と「デジタル画像補正を必要としないほど歪曲収差と色収差が極めて少ないこと」という2つの項目が掲げられている。これらの項目はデジタルカメラのレンズにおいても非常に高い光学技術が必要であるのだが、スマートフォンの場合、一般的に樹脂製のレンズを採用するため、デジタルカメラのガラスレンズのような性能を創り出すことが難しい。これに加え、カメラモジュールに厚みが増すと、本体の厚さにも影響が出てしまうため、なかなか簡単には達成できない項目というわけだ。今夏のスマートフォンAQUOSには新たに開発されたF値1.9の高画質レンズが採用されているが、この2つの項目をクリアしており、約2260万画素のイメージセンサーの性能を最大限に引き出している。

解像力の高いレンズによる精細感の高い描写

PHOTOSHOWより
【撮影】フォトグラファー 黒田智之さん

次に、画像処理については、「レンズの性能を最大限生かした、自然かつ鮮鋭度の高い画像処理であり、きめ細やかなノイズ低減処理であること」と「各種レンズ収差を補正するデジタル画像補正は行わないこと」という2つの項目が掲げられている。デジタルカメラではイメージセンサーから取り込まれた光の信号を基に、画像が生成されるが、同じイメージセンサーを採用していても画像処理エンジンのチューニングひとつで画質が大きく変わってしまうと言われており、各メーカーの開発陣の腕の見せどころとなっている。今夏のスマートフォンAQUOSでは新開発の画像処理エンジンが搭載されており、高いISO感度でも解像力の高い自然な描写を維持しつつノイズを抑えた画像処理を可能にしており、薄暗いところでもブレが少なく、美しい写真を撮影できるようにしている。

自然な画像処理により実現する、なめらかな階調

PHOTOSHOWより
【撮影】フォトグラファー 黒田智之さん

GR certifiedというお墨付きを得ていることは、今夏のスマートフォンAQUOSの高画質カメラの性能を裏付ける要素のひとつだが、スマートフォンのカメラではもうひとつ考えておきたい要素がある。それはスマートフォンのカメラとデジタルカメラでは、撮影する対象やシチュエーションに違いがあることだ。

一般的に、デジタルカメラは旅先やイベントのときなどによく使われる傾向にあるが、スマートフォンのカメラは日常的に使われることが多い。たとえば、被写体は子どもなどの人物の日常的なシーンを撮影したり、動きの激しいペットなどを撮ることもある。また、レストランなどで食事の写真を撮影して、SNSなどに投稿したり、インスタントメッセージなどで友だちや家族に送ることがある。撮影する場所もどちらかと言えば、室内が多く、十分な明るさを確保できないところでも撮影するはずだ。

こうした違いを踏まえると、よくスマートフォンのカメラ性能をチェックするには、日常的なシーンでの撮影や、あまり十分な明るさのないシーンで撮影が重要になってくるわけだ。スマートフォンAQUOSの場合、うす暗い室内などで撮影してみると、従来モデルから人間の眼で見た状態よりも明るく写る傾向にあり、まさにスマートフォンならではの撮影のニーズにしっかりと応えていることがよくわかる。今夏のスマートフォンAQUOSはカメラの画素数も向上し、カメラモジュールそのものの新設計となったが、従来モデル同様、うす暗いところでも明るく撮影することができ、さまざまなシーンでの撮影に威力を発揮する。これはデモ機などで、ぜひとも一度、試してみて欲しいところだ。

また、イメージセンサーやレンズ、画像処理エンジン以外にもカメラの撮影機能も注目される。まず、高精細なセンサーの性能を活かし、高画質のままでの高倍率ズームを実現しており、約3〜8倍のデジタルズームについては超解像技術を活かし、画像のボケを抑え、くっきりとした画質のズーム撮影を可能にしている。光学式手ブレ補正にも対応しているため、少し離れた被写体にズームして撮影してもブレを抑えた写真を撮ることが可能だ。

加えて、ユーザーがあまり手をかけずに、多彩な撮影を楽しめるのは、スマートフォンAQUOSのカメラの特徴のひとつだが、今夏のスマートフォンAQUOSにも新しい撮影機能が搭載されている。まず、「おすすめプラス」はちょっとした調整を加えることで、こだわりの写真を撮ることができる機能で、シーン選択メニューを表示し、「ふんわり」や「くっきり」などを選ぶと、簡単に表現力豊かな写真を撮ることができる。

左が「くっきり」、右が「ふんわり」で撮影した画像

PHOTOSHOWより
【撮影】フォトグラファー 黒田智之さん

もうひとつ注目される撮影機能が花火モードだ。これからのシーズン、スマートフォンで花火を撮ることが増えてくるが、実は花火は撮影のタイミングが難しく、デジタルカメラでもうまく撮れないという声が多い。スマートフォンAQUOSの花火モードでは、AUTOをタップすると、花火の光の動きを検出し、自動的に花火が開いた状態の写真を撮ることができる。シャープによれば、開発中に花火が打ち上げられるイベントに足を運び、何度も検証を重ねたとのことなので、ぜひこの夏、美しい花火の写真を自動的に撮影して、SNSなどで投稿してみることをおすすめしたい。

花火モード

PHOTOSHOWより
【撮影】フォトグラファー 黒田智之さん

インカメラについては約500万画素のイメージセンサーが搭載されているが、自分撮りにも強いカメラとして仕上げられている。35mmフィルム換算時24mmになる画角85度の広角レンズが採用されているため、複数人で撮影するグループショットや背景を活かした自分撮りも可能だ。女性ユーザーにうれしい美肌補正は、肌をなめらかに撮影できるだけでなく、鼻筋も自然なシャドウを加え、顔立ちをハッキリとさせて自分撮りをすることが可能だ。さらに、インカメラを身だしなみのチェックにも役立つ手鏡モードも用意されている。

ユーザビリティを向上するセンサー

スマートフォンAQUOSを構成するハードウェアの中で、ディスプレイやカメラのように、ユーザーが直接、操作するハードウェアと違い、どちらかと言えば、縁の下の力持ち的な存在となっているのが本体に内蔵されるセンサーだ。

AQUOSは搭載された近接センサーと指紋センサーでさらなるユーザビリティ向上を実現

たとえば、もっとも身近なところで言えば、通話をするとき、耳に端末を当ててもディスプレイのタッチパネルが反応してしまうことはないが、これは近接センサーにより、ディスプレイをオフにして、レシーバー(受話口)から音を流すしくみになっているからだ。コンテンツやカメラを閲覧しているとき、端末の動きに合わせて、画面が回転したり、表示が動くのも加速度センサーやGPSセンサーの情報を基にしている。

今回のスマートフォンAQUOSには「ツイストマジック」や「グリップマジック」といった他機種にはない機能が搭載されているが、これらもセンサーの働きを応用したものだ。

まず、ツイストマジックは端末を持っているとき、手首をひねるように動かすことで、直前に利用していたアプリの画面に切り替えられる機能だ。よくメールを見ながら、スケジュールを登録しようとしていて、もう一度、メールの画面を確認したいといった操作をするとき、Androidのアプリ履歴キーにタッチして、履歴一覧からメールのアプリを選ぶといった操作をすることがある。ツイストマジックは加速度センサーの信号を利用し、端末を持った状態でひねる動きを検出すると、タッチ操作をしなくても簡単に画面が切り替えられるようにしている。もちろん、もう一度、ツイストすれば、元のアプリの画面が表示されるので、ストレスなく使うことが可能だ。

一方、グリップマジックは端末を持ったとき、自動的に画面をONに切り替え、すぐに操作を始められるようにする機能だ。机の上に置いてあったり、ポケットに入った端末を取り出し、手で握ると、電源ボタンを押さなくてもすぐに使い始められるわけだが、これは本体の左右側面に備えられたグリップマジック専用の近接センサーの信号を検出することで、画面をONに切り替えている。また、誤動作を防ぐために端末の背面カメラ横と前面ロゴ横に誤動作防止用近接センサーを搭載している。このセンサーがカバンやポケットの中などでの誤動作を防いでくれている。

そして、このグリップマジックと連携するような形で使うと便利なのがNTTドコモ向けの「AQUOS ZETA SH-04H」、ソフトバンク向けの「AQUOS Xx3」の右側面に備えられた指紋センサーだ。従来モデルでは背面に備えられた指紋センサーに指でなぞるタイプの指紋センサーが採用されていたが、今回は側面に指紋センサーが備えられ、その部分をタッチするだけで、ロックを解除することができる。つまり、流れとしては端末を手に持つと、グリップマジックで画面がONに切り替わり、指紋センサーにタッチすれば、ロックが解除され、すぐに使い始めることができるわけだ。ちなみに、au向けの「AQUOS SERIE SHV34」には指紋センサーが搭載されていないが、インカメラで眼をスキャンし、ロックを解除できる「見るだけ解除」という機能が利用できる。

グリップマジックと指紋センサーを組み合わせるとロック解除が一瞬で完了

この他にもエモパー4.0で利用できる歩数計、周囲の明るさや時間帯によって、画面の明るさや表示を切り替える「リラックスオート」など、シャープ製端末ならではの便利な機能がさまざまなセンサーによって、実現されている。単純にスペックばかりを追求するのではなく、ユーザーの利便性を明確に向上させるためのハードウェアが充実した構成になっているわけだ。

AQUOSなら、スマートフォンをもっと快適に、もっと便利に使える

6月10日から販売が開始された今夏のスマートフォンAQUOS。NTTドコモ向けの「AQUOS ZETA SH-04H」、au向けの「AQUOS SERIE SHV34」、ソフトバンク向けの「AQUOS Xx3」の3機種が基本的に共通のデザインを採用しているが、ユーザーの利便性や実用性を大きく向上させるハードウェアが充実しており、新しい世代のスマートフォンAQUOSとして仕上げられている印象だ。なかでも「超キモチいい」を実現するハイスピードIGZO、人間の眼で見たときよりも明るく撮影できるGR certified取得の約2260万画素カメラは、他機種にはない大きなアドバンテージであり、ぜひとも多くの人に体験して欲しい機能だ。各社のスマートフォンAQUOSのデモ機を手に取り、その快適さと便利さ、楽しさを実感して欲しい。

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執筆: 法林岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話やスマートフォンをはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるゼロからはじめる Windows タブレット超入門 ウィンドウズ 10 対応」「できるゼロからはじめるパソコン超入門 ウィンドウズ 10 対応」「できるゼロからはじめるタブレット超入門 Android 4対応」「できる Windows 10」など、数多く執筆。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。ホームページはこちら