シャープ初のXiスマホ！　4.7インチ大画面＆おくだけ充電対応
「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」

　シャープ製スマートフォンのニューモデル「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」が、6月29日にいよいよ発売となる。NTTドコモのスマートフォンラインアップ「docomo NEXT series」に属するハイスペックモデルで、魅力的な機能を数多く備えている。今回は実機を試用する機会を得たので、ファーストインプレッションをお届けする。

　SH-09Dの特徴を探る中で、真っ先に触れるべきポイントは、やはりディスプレイだろう。画面サイズは4.7インチにおよび、本体を実際に手に取ってみると、その大画面ぶりに驚かされる。1280×720ドットのHD表示は、2011-2012冬春モデルとして発売された「SH-01D」および「SH-06D」（ともに画面サイズ4.5インチ）でもすでに実現しているが、今回の大画面化によってさらに迫力が増した印象だ。

　興味深いのが、本体サイズと画面サイズの関係性だ。SH-09D本体の縦横サイズは約130×67mmで、ここに4.7インチ画面を搭載している。本体表面に対する画面部分の占有率を計算すると、約70％にもなる。対して、2011年夏モデルであるSH-12Cの画面占有率は約59％（本体サイズ127×64mm、画面サイズ4.2インチ）。約1年間で、いかに“狭額縁化”が進展したか、数字からも分かる。

　SH-09Dは液晶ディスプレイを大型化させる一方で、画面表示関連のシステム全体での省電力化が試みられている。シャープではこれを「S-CG Silicon液晶システム」と名付けている。まず、消費電力を抑えつつも明るいディスプレイにするため、液晶そのものの透過率やバックライトコントロール機能が改善された。

　これに加え、SH-09Dでは液晶側に制御用メモリーを内蔵した。メールや写真などの静止表示時、画面表示関連のデータを一時蓄積しておくことによって、CPUと液晶の間のデータ伝送を停止できるため、余分な電力消費が行われなくなる。表示・制御の合わせ技、つまり“システム”としての省エネをアピールする理由は、ここにある。

　そして、SH-09Dの通信面でのトピックはXi対応だ。意外なことに、シャープ製スマートフォンのXi対応は今回の2012年夏モデルから。同時発表となったSH-10DもXiに対応しているが、こちらの発売予定時期は8月。つまり、6月29日発売のSH-09Dが実質的なXi初対応モデルとなる。今後は、FOMAを大幅に超える下り最大75Mbpsの高速通信がAQUOS PHONEでも利用できる。もちろん、Wi-Fiテザリングも可能だ。

　NTTドコモ向け端末で採用が広がっている「おくだけ充電」にも対応する。製品同梱の専用チャージャーの上にポンと載せておくだけで、充電が開始する。SH-09Dは防水・防塵対応ということもあって、USB充電端子部にしっかりとした浸水防止キャップが付いている。ここを充電のたびにわざわざ開閉させる必要がないので、使用頻度が高い人ほど効果を実感できるだろう。なお、従来機種と比べて電池が改善されたことにより、「おくだけ充電」による充電時間の短縮化も図られている。

　SH-09DではCPUとして「MSM8960 Krait」を採用する。デュアルコア仕様、1.5GHz駆動ならではの高パフォーマンスが魅力だ。内蔵RAMは1GB。Androidのバージョンも4.0になるなど、基本スペックの面でも着実な進化を果たしている。ちなみに、バッテリーは大容量の1900mAhとなっている。

　そして忘れてはならないのが、従来型携帯電話（フィーチャーフォン）でおなじみだった機能の多くが、SH-09Dでもそのまま使えるという点。おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線送受信機能はもちろん、防水・防塵対応、簡易留守録（伝言メモ）、歩数計といった機能まで用意されている。折りたたみ式携帯電話からの移行はもちろん、「スマートフォンだからしょうがない」という理由で一部機能を諦めていた人にとっても、魅力的な部分と言えるだろう。

　SH-09Dは6月29日発売ということもあって、すでに小売店店頭で実機デモが数多く行われている。最大の特徴であるディスプレイの美麗さについては、やはり実機に触れて、自分自身で体感してほしいというのが本音だ。近くの販売店へ足を運ぶ際には、ぜひSH-09Dに注目して欲しい。

（森田秀一）